全国のスーパーにおける米の平均価格が2週連続で値上がりを記録し、店頭に並び始めたばかりの新米も大幅な価格高騰に見舞われています。この米の値上がりの主な原因は、記録的な猛暑や深刻な水不足による作柄への影響とされており、専門家の間では今後も高止まりが続くとの懸念が広がっています。日本の食卓に欠かせない主食の価格動向は、家計に大きな影響を及ぼしており、消費者の購買行動にも変化が見られます。
全国のスーパーにおける米の平均価格推移グラフ:新米の価格高騰を示す
スーパーでの新米価格高騰と消費者への影響
全国のスーパーの米の平均価格は、本年5月31日に随意契約による備蓄米の販売が開始されて一時的に下落傾向にありましたが、8月に入ってから再び上昇に転じ、現在は5キログラムあたり3804円となっています。これは前週と比較して67円高く、2週連続での値上がりです。
都内スーパーの取材によると、8月から販売が始まった新米の価格は著しい上昇を見せています。例えば、千葉県産の「ふさおとめ」は5キログラム税込み4514円、茨城県産の「あきたこまち」は5キログラム税込み4946円で販売されており、これらは2024年の同時期と比較して約1000円高い水準にあります。
この新米の価格高騰は、消費者の購買行動に直接的な影響を与えています。70代の年金生活を送る男性は「新米は高すぎて買えないので、今はカリフォルニア米を食べている。同じ値段で2回分買える」と話します。また、子どもが2人いる50代の男性も、「新米が一番美味しいのはわかるが、子どもがたくさん食べるのでとても手が出せない。備蓄米が販売されてからは、ずっとそちらを購入している」と現状を語りました。都内のスーパー「マルセイ」の牧田公義社長によると、新米の売上は現在、前年同月比で半減しているとのことです。
都内のスーパーで棚に並ぶ新米の袋と価格表示:家計を圧迫する新米価格の高騰
米専門店も直面する価格の異常事態
目黒区にある米専門店「スズノブ」でも、8月から新米の販売が開始されました。先週から販売されている茨城県産の「あきたこまち」は、5キログラムあたり6400円と、2024年の2倍以上もの価格高騰を記録しています。「スズノブ」の西島豊造氏は、「普段から米にこだわりのあるお客様が多いが、今回の価格を見て、その高さに驚きを隠せない様子だ」と述べています。
こうした市場の状況を受け、農林水産省は8月20日、随意契約による備蓄米の販売期限を当初の8月末から延長することを発表しました。これは、新米の供給状況と価格の安定化を図るための措置と見られます。
目黒区の米専門店「スズノブ」店内に陳列された高級新米:消費者の購買意欲に影響
猛暑と水不足が引き起こした新米の品質異変
新米の価格高騰の背景には、品質の低下という深刻な問題があります。新潟県柏崎市で8月に収穫された極早生品種「葉月みのり」の品質検査結果がその異変を物語っています。2024年には94.7%が1等米と評価されたのに対し、2025年はこれまでのところ1等米がわずか4.5%に留まり、2等米が85.3%を占めるなど、白く濁った米が多く見られたとのことです。
この1等米の著しい減少の主な原因は、稲穂が出始める「出穂期」にあたる7月中旬から下旬にかけての異常気象です。この時期の降水量は平年89.7ミリのところ、2025年は7月中旬にわずか3ミリ、7月下旬には全く雨が降らず、記録的な猛暑と深刻な水不足が稲作に壊滅的な影響を与えました。
JAえちご中越の担当者は、「これからコシヒカリの収穫が本格化するが、8月にはまとまった降雨や比較的気温が低い期間があったため、品質には期待している」と、今後の作柄改善に望みを託しています。
品質検査を受ける新米の米粒拡大写真:猛暑と水不足による1等米の減少を示唆
まとめ
新米の価格高騰と品質低下は、今年の猛暑と水不足という異常気象が引き起こした深刻な問題です。スーパーの平均価格は上昇を続け、消費者の食卓と家計に大きな影響を与えています。備蓄米の販売期限延長といった対策が講じられていますが、主要な米の収穫時期を迎え、今後の価格動向と供給状況が注視されます。消費者は賢い選択を迫られる一方、生産者側は気象変動への対応がますます重要となっています。