進学塾ena、都立日比谷高校合格実績「水増し疑惑」の深層:「週刊文春」が報じる不透明な実績カウント

進学塾「ena」が実施した異例の「22泊23日夏合宿」の裏で大量退職が発生していた問題に続き、新たな疑惑が浮上しています。「週刊文春 電子版」の報道によると、都立日比谷高校の合格者数に関して、enaが公式発表した数字が、実際の在籍生徒数とは大きく異なる「水増し」の疑いがあるというものです。都立高校受験において高い評価を得てきたenaの信頼性に、疑問が投げかけられています。

「週刊文春」が報じるenaの合格実績疑惑

「週刊文春 電子版」が入手した内部資料によると、都立日比谷高校の合格発表日である3月3日時点でのenaの「内生」(受験期に在籍登録のある生徒)の合格者数は26名でした。しかし、その翌日に本部から届いた報告メールでは、この数字が71名に「劇的に増加」していたと報じられています。この急増は、教育業界における合格実績のカウント方法を巡る長年の議論に、新たな火種を投じるものとなりました。

現役講師からは、「enaのカウントの方法はあまりにもセコく、一線を越えている」との厳しい声が上がっています。塾が掲げる「都立中・都立高合格実績No.1」という看板を死守するため、あらゆる手段を用いて合格者数にアプローチしている実態が示唆されています。日比谷高校は、2025年の大学入試で東京大学に81名を輩出し、全国の東大合格高校別ランキングで5位に躍進するなど、都立最難関校として注目されています。

「継続指導生」が鍵となる合格者数カウント方法

enaが合格実績にカウントする生徒の基準は、「10時間以上の指導実績のある生徒」とされています。同塾では、在籍中の生徒を「内生」、それ以外の生徒で10時間以上の指導実績を持つ生徒を「継続指導生」と呼称しています。今回の合格者数激増の背景には、この「継続指導生」のカウント方法が大きく影響していると「週刊文春」は指摘しています。「継続指導生」という名称とは異なり、実際には“継続的に”指導を受けている生徒を指すものではないというのです。この曖昧な基準が、一晩で合格者数が大幅に増加した主要因であると報じられています。

進学塾enaを運営する学究社の本社ビル外観。合格実績水増し疑惑の舞台裏進学塾enaを運営する学究社の本社ビル外観。合格実績水増し疑惑の舞台裏

学究社の見解と今後の展開

enaを運営する学究社に対し、日比谷高校の合格者数が合格発表日に26名だった資料の存在を示し、「継続指導生」の積み上げによって71名に増加したのかを尋ねたところ、「事実ではありません」と回答しています。しかし、「週刊文春 電子版」は、現役社員らの証言と証拠に基づき、いかにして日比谷高校のena生合格者数が一晩で26名から71名に激増したのかについて、現在配信中の記事でさらに詳しく詳報しているとのことです。

今回の「水増し疑惑」は、進学塾業界における合格実績の透明性と信頼性について、改めて社会に問いかけるものとなるでしょう。情報開示のあり方や、保護者・生徒への説明責任が、今後一層重要視されることが予想されます。

「週刊文春」編集部/週刊文春 電子版オリジナル