「出稼ぎ」の実態浮き彫り:技能実習生・特定技能労働者の8割超が母国へ仕送り

厚生労働省の最新調査により、日本で「技能実習」および「特定技能」の在留資格で働く外国人労働者の8割以上が母国へ仕送りを行っていることが判明しました。この突出した高い割合は、本来の制度目的とは異なる「出稼ぎ」としての利用実態が広がっていることを示唆しています。

厚生労働省の外国人雇用実態調査、初の「仕送り」項目

この調査は、厚生労働省が2024年の外国人雇用実態調査として29日に公表したものです。2024年9月末時点の状況を把握するため、全国3623事業所と1万1568人の外国人労働者から有効回答を得ました。今回、初めて「母国への仕送り」に関する項目が設けられ、その結果に注目が集まっています。

調査全体では、外国人労働者の54.8%が母国へ仕送りをしていることが分かりました。しかし、在留資格別に詳細を見ると、「技能実習」は83.5%、「特定技能」は81.6%と、他の在留資格と比較して著しく高い割合を示しています。

厚生労働省の建物外観とロゴマーク。日本の外国人労働者政策に関する調査結果発表の場として、その重要性を示唆する。厚生労働省の建物外観とロゴマーク。日本の外国人労働者政策に関する調査結果発表の場として、その重要性を示唆する。

制度の目的と「出稼ぎ」問題

「技能実習」制度は、開発途上国への技能移転を通じた国際貢献を目的としています。一方、「特定技能」制度は、日本の人手不足が深刻な分野において、即戦力となる外国人材を受け入れるためのものです。これらの制度が、結果的に高額な手数料を伴う「出稼ぎ」の手段として利用されている実態が、今回の仕送りデータによって改めて浮き彫りになった形です。この問題は、外国人労働者の保護や制度の適正運用において、今後の政策議論に大きな影響を与える可能性があります。

結論

厚生労働省の調査結果は、日本の外国人労働者政策、特に技能実習と特定技能制度の現状について深く考察する必要があることを示しています。制度の本来の目的と、実際の運用状況との乖離を是正するため、より実効性のある見直しが求められるでしょう。

参考文献