2025年8月30日(土)午前9時、トンキン湾において今年14個目となる台風「ノンファ」が発生しました。この台風は日本列島へ直接的な影響をもたらす見込みはありませんが、8月から9月にかけては台風の発生数・接近数が一年で最も多くなる季節です。引き続き最新の気象情報に注意し、災害への備えを日頃から確認しておくことが重要となります。
トンキン湾で発生した台風14号ノンファの衛星画像と予測進路
台風14号「ノンファ」の詳細と今後の進路
30日(土)午前9時、トンキン湾で発生した台風14号「ノンファ」は、中心気圧996hPa、中心付近の最大風速18m/s、最大瞬間風速25m/sを記録しています。今後、台風14号は西寄りに進むと予想されており、日本への直接的な影響はないと見込まれています。しかし、台風が発生しやすい時期に入っていることを再認識させられる事態です。
台風の命名ルールと「ノンファ」の由来
「ノンファ」という名前はラオスが提案したもので、「池の名前」に由来しています。台風の名前は、日本を含む14カ国等が加盟する「台風委員会」によって、事前に用意された140個の名前が、発生順に付けられます。これらの名前は1番目から140番目までを繰り返して使用されますが、もし特定の台風が甚大な災害をもたらした場合、加盟国からの要請により、その名前は以降使用しないように別の名前に変更されることがあります。これにより、過去の災害を想起させる名前が繰り返されることを避けています。
8月・9月は台風シーズン、日本接近数も最多で注意喚起
台風14号の発生は、今月に入って5個目の台風となります。この時期は平年よりも台風の発生が多く、特に8月と9月は台風シーズン真っ只中です。過去の平年値を見ると、8月の台風発生数は5.7個と年間で最も多く、次いで9月が5.0個となっています。また、沖縄や奄美を除く地域への台風接近数の平年値も、9月が1.9個と一年で最多を記録しています。
日本の月別台風発生数と接近数の平年値を示すグラフ
この先、日本へ接近する台風が発生しやすい季節が続くため、十分な警戒が必要です。突然の大雨や暴風への備えとして、自宅周辺の排水溝の確認、ハザードマップの確認、避難経路の把握など、日頃からの防災対策を見直しておくことをお勧めします。最新の気象情報には常に注意を払い、早めの対策を心がけましょう。
日本気象協会 本社 日直主任