パンク町田氏、動物愛護法違反か:「ムツゴロウ後継者」のずさんなビジネス実態

ユニークな動物研究家として知られるパンク町田氏(57)に対し、元従業員が驚くべき告発を行いました。生前の「ムツゴロウ」こと畑正憲さんから直接、後継者と認められたとされる同氏の動物ビジネスにおいて、劣悪な飼育環境や動物愛護法に違反する違法な郵送が行われ、命を落としたペットもいると訴えられています。この衝撃的な告発は、多くの動物愛好家や関係者の間で波紋を広げています。

「ムツゴロウ後継者」としての顔と、告発の背景

パンク町田氏は、多数のテレビ番組に出演し、著書も出版する人気の動物研究家兼作家です。畑正憲氏との共演経験もあり、「第二のムツゴロウを名乗ってもいい」とまで言われた経緯が伝えられています。普段は自身が理事長を務めるNPO法人「生物行動進化研究センター」(千葉県旭市)で活動しているとされていますが、元従業員からはこの研究センターおよび関連会社のずさんな実態が指摘されています。

「ムツゴロウ後継者」と称される動物研究家、パンク町田氏の姿。動物愛護法違反が指摘されるビジネスの実態が明るみに。「ムツゴロウ後継者」と称される動物研究家、パンク町田氏の姿。動物愛護法違反が指摘されるビジネスの実態が明るみに。

告発を行ったのは、研究センターと同じ敷地内で動物の輸出入・販売を行う有限会社「バーデン」の元従業員、高木千佳さん(仮名)です。高木さんは、研究センターとバーデンは事実上同一の組織であり、町田氏の研究用から顧客への販売用まで、数十種類の生き物が区別なく飼育されていたと証言しています。しかし、その飼育環境は「見るに堪えないもの」であり、組織ぐるみで動物への「惨い仕打ち」が行われていたと憤りを露わにしています。町田氏は同社の常勤顧問という立場ながら、実質的なトップの一人として、これらの行為に重い責任があると訴えています。

動物愛護法違反:ずさんな郵送実態と犠牲になった命

高木さんの告発で最も悪質なのは、郵便局が動物愛護法に基づき禁止している哺乳類の「ゆうパック」による違法な郵送です。高木さんが勤務していた約3年半の間、バーデンはミーアキャット、チンチラ、シマリス、フェレット、ハリネズミといった小型哺乳類をゆうパックで顧客に送っていたといいます。これらの小動物はケージに入れられ、段ボールで梱包された上で、伝票には「カメ」などと虚偽の記載をして爬虫類を装っていました。これは当時、爬虫類の郵送が許されていたことを悪用した偽装行為です。

過去のメールのやり取りからも、バーデンが顧客に対して悪びれることなく郵送について説明しており、この不法行為が常態化していたことが伺えます。このようなずさんな発送方法の結果、郵送中に動物が命を落とす事態も頻繁に発生していました。特に、お客様から送られてきたミーアキャットの死体の写真と共にクレームが寄せられた際には、会社側は「補償はしない」という約束を盾に突っぱねる対応を取り、最終的には別の動物を値引き販売することで納得させたという事例も明かされました。

組織ぐるみの違法行為と責任の所在

告発によれば、「生物行動進化研究センター」と有限会社「バーデン」は実質的に一体運営されており、パンク町田氏自身も常勤顧問として他の役員と同等の発言権を持つ、組織の実質的な意思決定者の一人であったとされています。動物への劣悪な扱いや、動物愛護法に違反する違法な郵送は、特定の個人の判断ではなく、組織全体として行われていたと高木さんは指摘しています。このことは、著名な動物研究家であるパンク町田氏が、自身の名声と専門知識に反する行為に関与していた可能性を示唆しており、その社会的責任が厳しく問われることになります。

今回の告発は、動物の命と尊厳、そして関連法規の遵守がいかに重要であるかを改めて浮き彫りにしています。公に認められた動物研究家という立場でありながら、このようなずさんで違法なビジネスが行われていたとすれば、その背景にある実態解明と、厳正な対応が求められるでしょう。

参考文献