伊東市・田久保市長の学歴詐称問題:亀井弁護士が「偽造文書行使罪」の可能性を指摘

静岡県伊東市の田久保真紀市長の学歴詐称問題は、新たな局面を迎えています。元大阪地検の亀井正貴弁護士は1日、日本テレビ系「情報ライブ ミヤネ屋」に生出演し、市長が百条委員会で行った証言に対し、法的見解を提示しました。この発言は、公職者の信頼性に関わる重大な示唆を与えています。

「情報ライブ ミヤネ屋」が放送される日本テレビ社屋「情報ライブ ミヤネ屋」が放送される日本テレビ社屋

市長学歴詐称問題の経緯と最新動向

田久保市長の学歴は、市の広報誌で「東洋大法学部卒業」と記載されていましたが、実際には大学を除籍されていたことが公にされました。この事実が明らかになって以来、市民や議会からの批判が高まっています。

この日、市議会では田久保市長に対する不信任案が全会一致で可決されました。さらに、地方自治法違反の疑いで市長を刑事告発する動議も可決され、告訴状は即日警察に受理される事態となりました。これは、学歴詐称が単なる倫理的な問題に留まらず、法的な責任を問われる段階に入ったことを示しています。

百条委員会での「19.2秒」証言と音声データ

問題の核心の一つは、田久保市長が8月の百条委員会で「文書を議長らに19.2秒ほど見ていただいた」と証言した点です。これに対し、番組では、田久保市長が市議会の中島弘道議長に文書を見せた際の音声データが紹介されました。議長は途中で文書を閉じられたと主張しており、音声データからも実際に途中で「ガサガサ」という音が確認されたといいます。

伊東市の学歴詐称問題で辞職要求の署名を受け取る田久保真紀市長伊東市の学歴詐称問題で辞職要求の署名を受け取る田久保真紀市長

亀井弁護士が指摘する「偽造文書行使罪」の可能性

この証言と音声データについて、MCの宮根誠司氏は「19.2秒、本物でしょうと見せて、仮にこの証書が偽物であれば、それは知っているとするならば、19.2秒を見せたというのは逆になってきますよね」と、その法的意味合いを尋ねました。

これに対し、亀井弁護士は「偽造文書の行使罪が成立する可能性がある」と指摘。弁護士は、「チラ見せだと、行使する目的、ちゃんと見てもらう目的じゃないから、犯罪が成立していない可能性がある」としながらも、「それだけしっかり見せたのであれば、偽造文書を行使したことになるので、その段階で新たな犯罪が成立する可能性がある」と推測し、市長の行為が新たな法的な問題を引き起こす可能性に言及しました。

伊東市長の学歴詐称問題は、不信任案可決や刑事告発に加え、偽造文書行使罪の可能性という深刻な法的議論へと発展しています。公職者の透明性と説明責任がこれまで以上に問われる中、今後の捜査と司法の判断が注目されます。

参考文献