北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党総書記は、中国・北京で9月3日に開かれる「抗日戦争勝利80年」を記念する行事に出席する。韓国の聯合ニュースは、中朝国境に近い中国遼寧省丹東市のホテルで外国人の宿泊客の予約が制限されることなどから、正恩氏が特別列車で北京に長時間移動する可能性が高いと伝えている。
聯合によると、特別列車が通過する際の沿線に当たる丹東のホテルでは8月30日~9月3日、北朝鮮側を見ることができる部屋を予約できるのは中国人に限られているという。このため正恩氏がこの時期に特別列車で平壌と北京を往復するのではないかとの観測が出ている。
正恩氏の父の金正日(キム・ジョンイル)総書記は飛行機嫌いで知られ、特別列車で中国やロシアを訪問していた。一方、正恩氏は過去4度の訪中のうち2回は特別列車を使ったが、残り2回は専用機「チャムメ1号」を利用した。このため今回も専用機を利用する可能性は残されている。
ただ、チャムメ1号は旧ソ連製の旧型機を改造したもののため、安全性や航続距離などの面で難点があるとされる。実際に正恩氏が2018年にシンガポールでトランプ米大統領と会談した際は、中国政府からチャーターした飛行機を利用した。
正恩氏は19年にベトナムのハノイでトランプ氏と会談した際、65時間以上かけて列車で移動した。23年9月にロシア極東を訪問した際も列車を利用している。【ソウル福岡静哉】