土田晃之、明石家さんま番組「向上委員会」降板の衝撃告白「辛くなっちゃって」その舞台裏とは

お笑いタレントの土田晃之氏(53)が、ニッポン放送のレギュラー番組「土田晃之 日曜のへそ」に生出演し、お笑い界の重鎮、明石家さんま氏への深い恩義と、唯一自ら降板を申し出た番組「さんまのお笑い向上委員会」に関する複雑な心境を明かしました。この衝撃的な告白は、長年にわたり日本のテレビ業界を牽引してきたベテラン芸人の知られざる苦悩と、トップレベルのバラエティ番組が持つ特異な環境を浮き彫りにしています。土田氏が語った降板理由「辛くなっちゃって」の真意を探ります。

明石家さんまへの深い恩義と芸人としての転機

土田晃之氏は、自身のキャリアにおいて明石家さんま氏が果たした役割の大きさを振り返りました。さんま氏との出会いは、フジテレビ系の人気番組「明石家マンション物語」のオーディションがきっかけだったと語ります。この番組でのレギュラー出演を通じて、土田氏は全国的な知名度を得る足がかりを築きました。

その後、コンビ「U-turn」の解散という転機を迎えますが、それでもさんま氏の番組には継続して呼ばれ続け、これが彼の芸人としての成長に大きく寄与したと言います。「しゃべれるようになったし。だから一番恩を感じているのはさんまさん」と、その恩義の深さを強調しました。さんま氏の番組出演が、彼のトークスキルを磨き、ピン芸人としての地位を確立する上で不可欠な経験であったことを示唆しています。

「さんまのお笑い向上委員会」降板の真相

さんま氏への深い感謝があるにもかかわらず、土田晃之氏は自身で番組を「卒業」することを申し出た唯一の例として、フジテレビ系「さんまのお笑い向上委員会」を挙げました。土田氏は2015年4月の番組開始当初から2021年1月まで、およそ6年間にわたって同番組に出演していましたが、「初めて言いました。『辞めさせて下さい』って。自分で番組卒業したことないから。最初で最後があの番組でした」と語り、その背景には「辛くなっちゃって」という率直な理由があったことを明かしています。

ラジオ番組で「さんまのお笑い向上委員会」降板理由を語る土田晃之氏ラジオ番組で「さんまのお笑い向上委員会」降板理由を語る土田晃之氏

この「辛さ」について、土田氏は番組内での今田耕司氏の発言を引き合いに出し、「お笑い向上委員会って言ってるけど、ここ病院だったって。皆ここに通院してる」という言葉に「ハッとなった」と述べました。他の芸人たちが「通院者」として一時的に参加する中、自身は初回からずっと「入院」させられているような感覚に陥っていたと説明。レギュラーではないにもかかわらず、常にその場にいることの精神的負担が大きかったことを示唆しています。

壮絶な番組環境:ベテラン芸人たちの「フルスロットル」

土田氏の語る「辛さ」の核心には、「さんまのお笑い向上委員会」という番組が持つ独特かつ壮絶な環境がありました。彼は「最初の頃は凄いしゃべってたの、頑張って。でもだんだん、だんだん凄いみんなしゃべるなあ。取れ高もあるし別にいいか、みたいな感じでだんだん端っこの方に行って。しんどい…って卒業させてください」と、自身の立ち位置の変化とそれに伴う苦悩を語っています。

特に印象的だったのは、他のベテラン芸人たちの存在です。「俺は2段目に良く座りますから。1段目が超えられないの。ベテラン通院者たちが凄いのよ。こんなにベテランがスキを与えてくれないんだって」と、常に「フルスロットル」で臨む共演者たちの熱量に圧倒されていた様子がうかがえます。さんま氏を前に、誰もが最高のパフォーマンスを出そうとするため、会話の「すき間」が一切なく、自身の役割を見失いがちになったといいます。この日のゲストだった平成ノブシコブシの吉村崇氏も「やばいですよね」と共感を示すほど、その現場は過酷なものでした。

土田氏はさらに、「あの人数でいる必要ないんだもん。3人くらいで成立するんだもん。軽症だったら、退院させられるから、何とか重症にしないといけないって、どんどん自分の状態悪くして、来週に頑張ろうってしてる、そんな感じですよね。凄い番組ですよね…」と、常に自身の「症状」を悪化させてでも番組に必要とされ続けようとする、芸人たちの過酷なサバイバル戦略を振り返り、番組の特異性を強調しました。

結論

土田晃之氏の「さんまのお笑い向上委員会」降板告白は、単なるスケジュール調整や多忙といった理由を超え、日本のトップレベルのお笑い番組が持つ内実と、そこで戦い続ける芸人たちの計り知れないプレッシャーを明らかにしました。明石家さんま氏への深い恩義を感じながらも、自身の心身の限界を感じて降板を決意した土田氏の言葉は、テレビ業界の華やかな表舞台の裏に存在する、壮絶な競争と精神的な負担の大きさを物語っています。この告白は、お笑い芸人という職業の奥深さと厳しさ、そして彼らが日々直面する「笑い」を追求する上での葛藤を示す貴重な証言と言えるでしょう。

参考文献