中国の習近平国家主席とロシアのプーチン大統領は2日、北京で会談し、第二次世界大戦における「戦勝国」としての立場を前面に押し出し、両国の結束を改めて確認しました。この首脳会談は、国際社会における両国の影響力と、既存の世界秩序に対する姿勢を示す重要な場となりました。
中露首脳会談の背景と「戦勝国」としての主張
中国国営の新華社通信によると、2日に行われた中露首脳会談で、習近平国家主席は、両国がお互いの反ファシズム戦争勝利記念式典に参加したことを挙げ、「第二次世界大戦の戦勝国であり、国連安全保障理事会の常任理事国である大国としての責任を十分に示している」と発言しました。これは、中国とロシアが戦後の国際秩序を主導する重要な存在であるとの認識を国際社会にアピールするものです。習主席はさらに、「両国は国際法の支配や多国間主義を重んじている」と述べ、米国、特にトランプ政権の単独主義的な外交政策との違いを鮮明にしました。
2025年9月2日、北京の人民大会堂で会談し、握手を交わす中国の習近平国家主席とロシアのプーチン大統領。両首脳は結束を強調した。
プーチン大統領の強調点と広がる協力分野
プーチン大統領もまた、冒頭で「われわれの緊密な交流は、前例のないほど高い水準にある両国の戦略的関係を反映している」と述べ、中露関係の強固さを強調しました。今年5月にモスクワで行われた対ドイツ戦勝80年の軍事パレードに習近平国家主席が出席したことに触れ、「第二次世界大戦でロシアと中国が果たした勝利への重要な役割を裏付けるものであり、歴史的真実と正義を守るという共通の決意の証だ」と強調しました。
両首脳は今回の会談で、エネルギー分野や宇宙分野など、20件以上の協力文書に署名しました。会談後には昼食をともにするなど、両国の親密な関係がアピールされました。
拡大する外交活動:中露蒙三国会談の実施
この中露首脳会談に先立ち、北京ではモンゴルのフレルスフ大統領を交えた3者会談も行われました。これは、地域における両国の影響力拡大と、より広範な外交活動への積極的な姿勢を示すものです。北京を舞台に活発な外交活動が繰り広げられたことは、中露が国際社会において多角的な協力を模索し、その存在感を高めようとしている現状を浮き彫りにしています。
今回の会談は、中国とロシアが歴史認識を共有し、国際秩序における「戦勝国」としての地位を再確認することで、両国の結束を強化する意図が示されました。エネルギーや宇宙といった多岐にわたる分野での協力、そしてモンゴルとの三国会談は、今後の国際情勢において中露が果たす役割がさらに重要になることを示唆しています。
参考文献:
- 中国 習近平主席とロシア プーチン大統領が会談「戦勝国として結束確認」 (TBS NEWS DIG Powered by JNN)
- 新華社通信