イスラエルは本日2日、パレスチナ自治区ガザ地区北部にあるガザ市への大規模攻撃に向けて、約4万人の予備役兵士を動員する。イスラエル陸軍ラジオがこの動員を伝え、ベンヤミン・ネタニヤフ首相が軍高官の警告にもかかわらず、ガザ市への攻撃を加速させる意向を示している。この動きは、すでに緊迫する地域の情勢をさらに悪化させるものとみられている。
8月31日夜に開催された安全保障閣僚会議では、ネタニヤフ首相とその閣僚らがガザ市攻撃の推進を強く望む一方で、エヤル・ザミール軍参謀総長は停戦協定の締結を政治家に促し、激しい議論が交わされたという。会議に出席した閣僚4人と軍当局者2人によると、ザミール参謀総長は、この作戦が人質を危険にさらし、すでに多大な負担を抱える軍にさらなる重荷を課すことになると警告した。軍はまた、人道的活動のためにもっと時間が必要だと主張しており、複数の調査からは、動員される予備役兵士の相当数が内閣の計画に不満を抱いていることが示されている。
ガザ市攻撃へ向かうイスラエル軍の戦車と動員される予備役兵士たち
イスラエル軍によるガザ攻撃の激化と人道危機
イスラエルによる攻撃は過去24時間でガザ全域に及び、少なくとも86人が死亡し、多数の負傷者が出ている。特に、さらなる進攻を目指してイスラエル軍が空と地上からの爆撃を強化しているガザ市郊外の住宅地域では、3回にわたる空爆によって26人が命を落とした。イスラエル軍は現時点でのコメント要請に応じていないが、これまでの発表ではガザ市郊外で戦闘を展開し、武装勢力のトンネルやインフラを破壊し、武器を押収していると説明している。
一方で、ガザ地区では人道状況が極めて深刻化している。地元保健当局が本日2日に発表したところによると、この24時間で子ども3人を含む13人のパレスチナ人が栄養失調と飢餓により死亡した。食料、水、医薬品などの供給不足が続き、住民の生命を脅かす状況が深刻化している。
今後の展望と国際社会の役割
イスラエルのガザ市攻撃に向けた予備役兵士の動員とネタニヤフ首相の加速化指示は、軍内部からの懸念と国際社会の人道支援要請を無視する形で行われている。これにより、ガザ地区における軍事衝突はさらに激化し、一般市民への被害が拡大することが懸念される。停戦交渉の行方や、人質解放、そして深刻な人道危機の解決に向けた国際社会の介入が、今後ますます重要となるだろう。
参考文献
- Reuters (2025年9月2日). Source link (https://news.yahoo.co.jp/articles/725a0874312f8d12da377ae4722a504751c6ecf2)