実業家の堀江貴文氏(52)がX(旧Twitter)で展開した「野菜論争」から「味の素」への言及が、日本のソーシャルメディア上で新たな議論の波紋を広げています。かつて「野菜を食べて健康はバカみたいな理論」と発言した堀江氏が、今回「不味い野菜を無理やり食わせてるからだろ」と持論を展開。さらに「味の素かけとけば大抵なんでも美味くなるぜ」と投稿したことで、賛否両論の「うま味調味料論争」が再び注目されています。
堀江貴文氏が野菜や味の素について持論を展開する様子
堀江氏、「野菜論争」から「味の素」推奨へ
堀江氏は、子供がステーキなどの付け合わせの野菜を食べないという親の悩みのリプライに対し、「不味い野菜を無理やり食わせてるからだろ笑。俺は子供の頃からモリモリ食べてたわ。美味い野菜だったからな」と即座に反論しました。さらに、子供が野菜を美味しいと思っていないとの反応には、「だから、あんたが食べさせて野菜が不味いから食わないんだって。野菜が悪いんじゃなくてお前が悪いんだよ。子供は素直だから美味しいものしか食べない。」と、親の調理法や選ぶ野菜に問題があるとの見解を示しました。この一連の投稿の締めくくりとして、「良質な食べ物は何でも美味い」「あと調理法な。味の素かけとけば大抵なんでも美味くなるぜ」と、手軽に料理の味を向上させる方法として「味の素」を挙げたのです。
Xで巻き起こる「味の素」賛否両論
堀江氏の「味の素」に関する投稿は、X上で大きな反響を呼び、ユーザー間での激しい議論を巻き起こしました。「おっしゃる通り。大抵美味しくなります」「それは言えてますね。うま味ですからね。」「そう思う。味の素はアジア料理に無くてはならないものになった。」といった賛成意見が多数寄せられました。これらの意見は、味の素が料理の味を手軽に底上げする効果や、特にアジア料理における普遍的な調味料としての地位を認めるものです。
一方で、「味の素美味しいって、、味音痴か?」「味の素かけとけば大抵美味しく感じてしまうのは味覚が鈍感。子供の頃からそれは良くないと思う。」「味の素の手軽さと良さを、そこに企業努力があるわけで、否定するわけじゃないけど、いかにそれを使わずに美味しくしてみせるかってところにも美学があるよね」といった反対意見も根強く存在します。これらは、味の素の使用が味覚を鈍化させる可能性や、素材本来の味を引き出す「料理の美学」との対比から、否定的な見方を示すものです。
「味の素論争」の根深い背景とは
この「味の素」を巡る論争は、今に始まったことではありません。食品業界のグルメライターは、「味の素はグルタミン酸を主体とした、うま味調味料です。これを巡っては、『体に悪い』『化学的だ』『旨みは食材の出汁から取るべき』と主張する人が一定数おり、たびたび議論が巻き起こっています」と説明します。
過去には、「アメリカでは体に悪いため使用禁止になった」という真偽不明の噂が流布したこともあります。また、人気料理研究家のリュウジ氏(39)が自身のレシピで味の素を繰り返し使用した際に、「悪魔崇拝者だ」と誹謗中傷を受けたと本人が告白するなど、その根強い反対意見の存在が浮き彫りになっています。専門家は「実際は安全で、摂りすぎに気をつければ、手軽に料理に旨味を足せる便利な調味料のはずなのですが、こうした論争が収束する気配はありませんね」と指摘しており、科学的な安全性と世論の認識との間にギャップがある現状がうかがえます。
結論
堀江貴文氏のXでの発言をきっかけに再燃した「味の素」論争は、日本の食文化における伝統的な価値観と現代の利便性との間の摩擦を象徴しています。グルタミン酸を主成分とするうま味調味料が持つ科学的な安全性と、長年にわたる根強い偏見や誤解が混じり合い、この議論には一向に決着がつく気配が見えません。食に対する価値観が多様化する現代において、私たちはどのような視点から「美味しい」を定義し、調理法や調味料と向き合っていくのか、社会全体の課題として今後も注目されるでしょう。
参考文献
- Yahoo!ニュース: https://news.yahoo.co.jp/articles/060d5346bf6789ba367d6a0f82a9eda1981fd9a7
- 女性自身 (Jisin.jp): https://jisin.jp/domestic/2510486/2/