伊東市長、不信任案可決で議会解散へ:学歴詐称疑惑巡る政局の行方

静岡県伊東市議会は1日、田久保真紀市長(55)に対する不信任決議案を全会一致で可決しました。長らく議論されてきた学歴詐称疑惑が背景にあり、田久保市長は今後10日以内に議会を解散するか、自身の辞職または失職の選択を迫られます。しかし、市長は既に支援者に対し、議会を解散する意向を伝えている模様で、伊東市政の混乱は必至とみられています。

不信任案可決、全会一致の重み

市議会での採決時、田久保市長は表情を変えることなく議員たちの方を見つめていました。中島弘道伊東市議会議長が「市長に対する不信任決議を採決いたします。賛成の諸君の起立を求めます」と告げると、全議員19人からの賛成、つまり全会一致での不信任が突きつけられました。

伊東市長・田久保真紀氏が不信任案可決の議場で議員を見つめる様子伊東市長・田久保真紀氏が不信任案可決の議場で議員を見つめる様子

四宮和彦市議は「本市の負の象徴として全国的に評判となった田久保真紀市長が伊東市長であり続ける限り、市民生活に暗い影を落とし続けることを危惧せざるを得ない」と厳しく指摘。また、佐藤周市議も「(市長の)虚言や論点のすり替え、百条委員会への対応は問題だらけ」と述べ、市民の代表として強い不満と批判を表明しました。議員からの断罪を受けながらも、終始メモを取り続けていた田久保市長は、不信任決議可決後、「議会の意向は非常によく分かっております。まずはきちんと持ち帰り、不信任決議の中身を見て考えたうえで決めたい」と語り、即答を避けました。

市議会解散へ向かう田久保市長の意向と今後の展望

ANNが複数の関係者を取材したところ、先月31日夜、田久保市長は支援者を集めた会合で「市議会を解散する」と明言したと報じられています。この選択は、市議選後に再び不信任決議案が提出される可能性を考慮した動きと見られますが、現実は厳しい情勢です。

次回の市議選で田久保市長を支持する候補者が最低でも7人当選しなければ、再び3分の2以上の市議が出席し、過半数が賛成すれば、今度は田久保市長自身が失職することになります。青木敬博伊東市議会副議長は、議会解散による影響を危惧しており、「市議会解散となると、3月予算の予算編成にも大きな影を落としてくる。10月の終わりごろに市議会議員が決まり、12月にもう一度、市長選という形になる。3月の予算が絶望的だと思っており、市民の皆さんに与える影響はかなり大きい」と、市政の停滞と市民生活への深刻な影響を訴えました。伊東市の政局は、学歴詐称疑惑を巡る混迷が続き、先行き不透明な状況となっています。

結論

伊東市議会による田久保真紀市長への不信任決議可決は、学歴詐称疑惑に端を発する同市の政治的混乱が新たな局面を迎えたことを示しています。市長の議会解散という選択は、事態を収拾するどころか、市議選、そして再度市長失職の可能性へと繋がり、市政の空白期間や予算編成の遅延といった深刻な影響を市民にもたらす懸念が高まっています。伊東市民は、この複雑な政局の推移を注視し、その解決が早期に図られることを強く望んでいます。


参考文献: