トランプ氏、習近平主席の抗日戦演説に「米国の貢献軽視に驚き」と不満表明

【ワシントン共同】トランプ米大統領は3日、北京で開催された抗日戦争勝利80周年の記念行事において、中国の習近平国家主席が行った演説が、勝利における米国の貢献に一切言及しなかったことに対し、「驚いた」と述べ、明確な不満を表明しました。この発言はホワイトハウスで記者団に対して行われ、米中関係における微妙な緊張を示唆しています。

トランプ氏、習主席の演説内容に疑義を呈す

トランプ大統領は、習近平主席の演説について「(米国の貢献に)言及しなかったことに驚きを隠せない」と語り、その不満をあらわにしました。また、同記念行事には習主席のほか、ロシアのプーチン大統領、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党総書記も集結しており、この顔ぶれに関してトランプ氏は「彼らの意図は理解していた。彼らは私が注目することを望んでいたのだ」と主張し、特定のメッセージが米国に向けられていたとの認識を示しました。

ドナルド・トランプ前米大統領、北京での抗日戦争勝利記念行事に関連する発言で不満を表明する様子ドナルド・トランプ前米大統領、北京での抗日戦争勝利記念行事に関連する発言で不満を表明する様子

米国への「悪巧み」をSNSで示唆し懸念を表明

これに先立つ2日には、トランプ氏自身が交流サイト(SNS)に投稿し、中ロ朝の3カ国首脳が結集して「米国に対して悪巧みしている」との見方を示していました。その投稿の中で、習主席が演説において、中国のために米国が流した「血」について言及するかどうかが、非常に重要であると指摘。今回の不満表明は、その懸念が現実のものとなったことへの反応と見られています。国際社会の複雑な地政学的状況が、今回の発言を通じて改めて浮き彫りとなりました。


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