ハロウィンが終わり、街の装いはクリスマスカラーへと一変した。うきうきする気持ちに誘われて、プチギフト用に雑貨でも選ぼうかと自由が丘に久しぶりに足を運んだ。雑貨巡りといえば自由が丘、というイメージがあるからだ。
ところが、ない。お目当ての雑貨ショップが消えていた。手軽な価格でフレンチ風雑貨を扱っていたのに、ペットグッズの店に変わっていたのだ。またか……と思う。ここ数年、雑貨を扱う小さな店が消えていくのを目の当たりにしてきた。
コロナ禍によるイエナカ志向で、インテリアへの関心が強まった。せっかくなら好きな雑貨に囲まれて暮らしたい――そんな人も多かったはずだ。
■100円ショップに加え、「スリコ」も台頭
自粛期間が明けても、生活雑貨市場そのものの景気は悪くないという。日本経済新聞社の「日本の専門店調査」(2025年8月公表)によると、24年度の業界主要6社の売上高は合計で9.8%増だった。店としての売上高トップは無印良品、ロフト、ハンズの順で続く。
一方、こうした大手資本ではない、店主のセンスが光るようなセレクトショップは今どうなっているのか。クリスマス気分をアゲてくれるようなインテリア雑貨は、どこで買えるのか――。
答えは明快だ。そんな雑貨たちは、100円ショップや300円ショップにずらりと並んでいる。前者ならダイソー、セリア、キャンドウ、ワッツなどへ、後者はスリコこと3COINS、ダイソー系のTHREEPPY(スリーピー)、CouCou(クゥクゥ)に行けばいい。均一価格ショップという打ち出しではないが、ナチュラルキッチンもグループに含めてもいいだろう。
これらのショップが扱う雑貨には、もはや安っぽさはない。十分おしゃれだし、数百円ならいくつも買ってテイストをそろえることも容易だ。しかも、流行に応じて新アイテムが次々投入される。それなりにセンスが良くて、なにより数百円で雑貨が買えるとなれば、同じような商品を買いにわざわざ雑貨店に足を運ぶ必要性はあるだろうか?
このままだと、いずれ小さなインテリア雑貨店は、均一ショップの影でひっそり消えてしまうかもしれない。






