三重県四日市市出身の中学1年生、杉本奈槻さん(12)が、世界最高峰のバレエコンクールで1位に輝き、国際舞台への道を大きく開いた。この才能あふれる新星は、バレエだけでなく剣道でも全国レベルという異色の「二刀流」で培った体幹を武器に、2025年9月からはバレエの聖地モナコの名門校へと新たな挑戦に挑む。彼女の並外れた努力と未来への決意が、今、世界から注目を集めている。
12歳のバレリーナ杉本奈槻さん、世界の舞台へ羽ばたく日本の新星
四日市から世界へ:YAGPジュニア部門制覇の軌跡
杉本奈槻さんの名が三重県から世界へと轟いたのは、2025年4月にアメリカ・フロリダ州タンパで開催された「ユース・アメリカ・グランプリ(YAGP)」での快挙だった。若手バレエダンサーの登竜門として知られるこの国際コンクールにおいて、奈槻さんはジュニア部門(12歳~14歳)で世界各国の予選を勝ち抜いた約180人の中から見事1位を獲得した。
ユース・アメリカ・グランプリで優雅な演技を披露する杉本奈槻さん
「まさか自分が1位とは思わなかったからとてもびっくりしました」と、当時の驚きを奈槻さんは語る。友達の誘いをきっかけに5歳でバレエを始めた彼女は、2024年からは地元の四日市にあるスタジオに通い、現在も週5日の厳しい練習に打ち込んでいる。彼女の美しいポーズや回転の軸を支えるのは、並外れた体幹の強さだ。
バレエの美しいポーズを支える杉本奈槻さんの強靭な体幹
武道と舞踊の「二刀流」:体幹を鍛える秘訣
奈槻さんの体幹の強さは、バレエと並行して5歳から続けている剣道によって培われたものだ。兄の影響で始めた剣道は全国大会に出場するほどの腕前で、まさに舞踊と武道の「二刀流」を体現している。
バレエと剣道を両立する杉本奈槻さん、武道で培った集中力
奈槻さんは「回転するときに体の軸が必要で、剣道も体幹が重要。少しでも踊りやすくなっていると思います」と、剣道で鍛えた体幹がバレエパフォーマンス向上に大きく貢献していることを明かしている。このユニークな組み合わせが、彼女の安定した軸と表現力豊かな踊りを支える基盤となっているのだ。
バレエの都モナコへ:名門プリンセス・グレース・アカデミーでの挑戦
世界的バレリーナへの道を歩み始めた奈槻さんは、この春、人生の一大決心を下した。世界9カ国ほどの名門バレエ学校から誘いを受ける中、彼女が次に選んだ舞台は「モナコ」。2025年9月からは、バレエ界の聖地とも称されるモナコにある名門「プリンセス・グレース・アカデミー」へと海外留学する。
モナコ留学への決意を語る杉本奈槻さん、世界での活躍を誓う
家族と離れ、バレエ一本での海外挑戦を決めた奈槻さんには、並々ならぬ覚悟がある。「寮でのルールが50個ぐらいあって、学校や寮では水以外飲んではいけないとか。嫌になってやめたりしないように乗り越えて頑張っていきたい」と語る彼女の言葉からは、新たな環境での厳しい規律に臆することなく、夢に向かって邁進する強い意志が感じられる。
世界の舞台で輝く夢:プリンシパルへの道
2025年7月、地元四日市では日本を旅立つ前の発表会が開催され、奈槻さんは力強い踊りを披露した。彼女を長年指導してきた小原芳美さんは、「『とんでもない子が来た』って。バレエに向いている体形があって全て整っていた。“バレエの神様からこれだけのものをもらったらもう逃げられないわよ”って」と、奈槻さんの生まれ持った才能を絶賛する。
三重から世界へ羽ばたく12歳のバレリーナ、杉本奈槻さん。彼女の夢は、世界の舞台で主役を踊る「プリンシパル」になることだ。武道で培った精神力と体幹、そしてバレエへの情熱を胸に、モナコでの新たな挑戦を通じて、その夢を実現させる日が来ることを多くの人々が期待し、応援している。
参考文献:
- Yahoo!ニュース: 「実は剣道も全国レベル…武道と舞踊の“二刀流”で世界1位となった12歳バレリーナ モナコの名門校で新たな挑戦へ」 (東海テレビ)