オブライエン元米補佐官、対日戦勝は「台湾こそが祝うべき」と主張

ワシントンで開かれた台湾ドラマのプレミア上映会で、オブライエン元米国家安全保障担当大統領補佐官は、中国が抗日戦争勝利80年を記念した式典に言及し、「日本を打ち破ったのを祝うべきは台湾であり、中国共産党ではない」と強調しました。この発言は、台湾を巡る国際情勢と歴史認識に新たな視点を提示するものです。

台湾ドラマ「零日攻撃」に描かれる現実の脅威

オブライエン氏は、米シンクタンクのグローバル台湾研究所(GTI)主催による台湾ドラマ「零日攻撃 ZERO DAY ATTACK」の米プレミア上映会で発言しました。台湾海峡戦争勃発目前の台湾を舞台に、多角的な視点から台湾が直面しうる軍事侵攻、テロ、海上封鎖、認知戦、サイバー攻撃といった潜在的危機を描いた同作は、現在の国際情勢を反映していると指摘。上映会には250人以上が参加し、その関心の高さを伺わせました。

オブライエン元米大統領補佐官、ワシントンでの台湾ドラマ「零日攻撃 ZERO DAY ATTACK」プレミア上映会にてオブライエン元米大統領補佐官、ワシントンでの台湾ドラマ「零日攻撃 ZERO DAY ATTACK」プレミア上映会にて

民主主義国家台湾が示す「強靱性」

オブライエン氏は、台湾の人々がこうした脅迫やいじめに対し、高い「強靱性」を発揮しているのは「彼らが民主主義の人々だからだ」と評価しました。さらに、中国にとって台湾がもたらす真の脅威は、単なる「大陸解放」ではなく、「華人でも民主主義制度を営める」という事実にあると説明。これは、「強硬な統治こそが中国を団結させ、民主主義は分裂させる」という中国共産党のプロパガンダを覆すものだと見解を示しました。

中国の戦勝記念と歴史認識への「皮肉」

オブライエン氏は、中国が第二次世界大戦終結80年を記念する軍事パレードを開いたことを「皮肉」と表現しました。その核心的な理由として、日本を打ち破った真の功績を祝うべきは、中国共産党ではなく台湾であるという自らの主張を改めて強調。この発言は、歴史認識を巡る中台間の深い隔たりと、国際社会における正統性の問題を浮き彫りにしています。

台湾に友好的なオブライエン氏の背景

ドナルド・トランプ前政権で国家安全保障担当大統領補佐官を務めたオブライエン氏は、長年にわたり台湾に対して友好的な立場を貫いています。彼のこうした発言は、米国の対台湾政策の方向性や、インド太平洋地域の安全保障環境に対する米国の戦略的視点を反映するものとして注目されます。

結論

オブライエン元補佐官の発言は、台湾の民主主義的価値とその地政学的な重要性を再認識させるものです。中国の歴史観に異を唱え、台湾の貢献を称える彼の姿勢は、国際社会における台湾の存在意義に関する議論を一層深めることとなるでしょう。

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