伊東市長・田久保眞紀氏の学歴詐称疑惑:不信任案可決から市政の混迷、そして擁護論まで

今年5月、公約に「新図書館の建設中止」や「メガソーラー計画の白紙撤回」を掲げ、僅差で小野達也前市長を破り伊東市長に就任した田久保眞紀氏(55)。順調な滑り出しを見せたかに思えた市政に、学歴詐称疑惑が浮上し、就任からわずか3か月で不信任案が可決されるという異例の事態に直面している。伊東市政は混迷の極みにあり、その動向は日本全国の注目を集めている。

学歴詐称疑惑で不信任案が可決され、岐路に立つ伊東市長・田久保眞紀氏学歴詐称疑惑で不信任案が可決され、岐路に立つ伊東市長・田久保眞紀氏

百条委員会による「事実上の偽造認定」と不信任案可決

事の発端は6月上旬、伊東市議らのもとに届いた差出人不明の投書だった。そこには「東洋大学卒業ってなんだ! 彼女は中退どころか、私は除籍であったと記憶している こんな嘘つきが市長に選ばれるなんて信じられない! 議会に真実の追及を求める!」と記されており、これが伊東市議会に不穏な空気を生み出した。

この疑惑に対し、田久保市長は7月2日の記者会見で「(大学は)除籍であると判明しました」と自身の学歴に誤りがあったことを公に認め、「自白」という形で事態は大きく動いた。その後、8回にわたる証人尋問などを経て、百条委員会は田久保市長が議長と副議長に見せたという「卒業証書」が事実上偽造されたものであると認定。この認定を受け、9月1日の定例市議会では不信任案が全会一致で議決されるという、極めて重い判断が下された。

混迷深まる市政:解明の難しさと批判の声

不信任案の可決という大きな節目を迎えたものの、伊東市政は依然として混迷の最中にある。学歴詐称問題の核心は、田久保市長が自身の大学の状況を認識していながら意図的に学歴を詐称したかどうかにある。しかし、この点については市長自身の協力なしには真実の解明が極めて困難であると指摘されている。

このような状況にもかかわらず、進退を明らかにしない田久保市長に対し、多くの市議からは「論点のすり替え」や「退職金目当て」といった厳しい批判が上がっている。敵ばかりという状況は、市長の今後の政治生命に大きな影を落としている。

擁護派の声:浜中都己氏が語る「私も勝手に大卒と書かれた」経験

しかし、このような状況下でも田久保市長を擁護する声も存在する。コンサルティング会社の社長であり、政治団体「請願権を実現する会」の代表も務める浜中都己氏は、自身の経験を交えながら市長への理解を求める。

浜中氏は、昨年静岡県知事選に立候補した際、マスコミの経歴アンケートに「中京短期大学卒」と記入したところ、記者から「証書はあるのか」と問われたという。「そんなの40年前のことだからわからない」と答えたところ、最終的には選挙公報に「中京短期大学卒」と“勝手に”書かれた経験を語り、田久保市長の状況と類似していると指摘した。「田久保さんにも『こんなのくだらない』と伝えましたよ」と、今回の騒動自体を疑問視する。

さらに、百条委員会の開催方法にも苦言を呈している。地方自治法115条が保障する公聴会を開かずに、いきなり百条委員会を開催したこと自体に問題があるとし、市議たちが拙速な判断を下す前に、検証を重ねるべきだったと主張する。「田久保劇場」と揶揄しながら、一方でテレビの前では“対抗馬”のように振る舞う中島議長ら市議たちの姿勢にも違和感を覚えるとして、市議会側の対応にも疑問を投げかけている。

結論

伊東市は現在、「悪名」が全国に先行している状況であり、この学歴詐称疑惑とそれに伴う不信任案可決は、市政に大きな混乱をもたらしている。市長側の意図的な詐称があったかどうかの解明は難航し、市議会との対立も深まるばかりだ。市民生活への影響を最小限に抑え、信頼を回復するためにも、一刻も早い事態の収拾が強く求められている。


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