ドナルド・トランプ前米大統領は5日、2026年に開催される20か国・地域(G20)首脳会議の開催地を、フロリダ州マイアミにある自身のゴルフリゾート施設「トランプ・ナショナル・ドラル・ゴルフクラブ」に決定したと発表しました。この決定は、今後の国際政治におけるトランプ氏の影響力を示すものとして注目されています。
開催地選定の理由と私益への反論
トランプ氏は、マイアミ国際空港に近接する「トランプ・ナショナル・ドラル・ゴルフクラブ」について、「美しい」施設であり、フロリダ州の温暖な気候と相まって理想的な選択肢であると記者団に説明しました。「誰もがそこでの開催を望んでいる。空港のすぐそばの最高の立地で、美しく、すべてが素晴らしいからだ」と述べ、開催地としての優位性を強調しました。
しかし、大統領在任中から私腹を肥やしているとの批判に繰り返し直面してきたトランプ氏は、今回のG20開催で金銭的な利益を得るつもりはないと強く断言しました。「われわれはこれで金もうけするつもりはない。金銭的な利益を伴わない取引をしようとしている。私はただ、うまくいくことを望んでいるだけだ」と述べ、透明性をアピールしました。
2025年9月5日、ホワイトハウスの大統領執務室でG20開催地について発表するドナルド・トランプ大統領。
ロシア・中国首脳の参加と今後の国際会議
トランプ氏はさらに、ウクライナへの侵攻を続けるロシアのウラジーミル・プーチン大統領のG20出席に期待を示し、中国の習近平国家主席の出席も歓迎する意向を表明しました。G20メンバーであるロシアと中国の首脳に対し、「もし彼らが望むなら、ぜひ出席してほしい」と述べつつも、彼らは「オブザーバー」としての参加となり、その参加意向は不明であると付け加えました。
なお、トランプ氏は今年11月に南アフリカで開催されるG20首脳会議には参加しないことを確認しており、代わりにJ・D・バンス副大統領が出席する予定です。
まとめ
ドナルド・トランプ氏が自身のゴルフリゾートを2026年G20首脳会議の開催地として選定したことは、国内外で様々な議論を呼ぶ可能性があります。私益追求への批判を否定しつつ、ロシアや中国といった主要国の首脳の参加を歓迎する姿勢は、国際政治における彼の独特なアプローチを改めて浮き彫りにしています。この決定が今後の国際情勢、特に米国の外交政策にどのような影響を与えるか、引き続き注目が集まります。