中国首相、香港行政トップに取り締まり要求 デモで「多方面の損害」





香港政府トップの林鄭月娥(りんてい・げつが)行政長官と李克強首相=16日午前、北京の人民大会堂(ロイター)
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 【北京=三塚聖平】北京を訪問中の香港政府トップの林鄭月娥(りんてい・げつが)行政長官は16日午前、人民大会堂で李克強首相に香港情勢に関する報告を行った。香港メディアが伝えた。香港紙の星島日報(電子版)によると、李氏は香港で続いている抗議デモについて「社会全体に多方面の損害をもたらしている」と批判。抗議デモの取り締まりを進め、秩序を回復させるよう求めた。

 民主派が8割超の議席を獲得して圧勝した11月24日の香港区議会(地方議会)選挙後、林鄭氏と李氏の会談が伝えられるのは初めてだ。収束の気配が見えない抗議活動への対処に、中国政府も苦慮しているとみられる。

 李氏は香港の経済悪化について「未曾有(みぞう)の厳しく複雑な局面に直面している」と懸念を示した。香港経済は米中貿易摩擦と抗議デモ長期化の二重苦に見舞われ、2019年7~9月期の実質域内総生産(GDP)成長率が前年同期比でマイナス2・9%と、四半期ベースで10年ぶりのマイナス成長に陥った。

 10月下旬には林鄭氏の更迭を中国政府が検討していると英メディアが報じているが、李氏は「林鄭氏と政府による法にのっとった施政に対する固い支持はこれまでと少しも変わらない」と述べた。香港の「一国二制度」についても変化はないと強調した。

 林鄭氏は「過去1年、香港では政治、経済、社会に関わらず、厳しい事態が生じている」と香港の厳しい状況を李氏に説明した。

 林鄭氏は、毎年12月に香港トップが行っている中国政府の指導者への定例報告のため14日から北京を訪問している。



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