俳優の清水尋也容疑者(26)が9月3日、麻薬取締法違反の容疑で警視庁に逮捕されたことが明らかになった。この逮捕を受け、出演が予定されていたNHK連続テレビ小説『ばけばけ』(9月29日スタート)からの降板が決定。彼の逮捕は、出演作品だけでなく、日本の芸能界全体に波紋を広げている。
麻薬取締法違反容疑で逮捕された俳優の清水尋也容疑者
清水尋也容疑者の逮捕と相次ぐ出演取りやめ
高石あかり(22)がヒロインを務める朝ドラ『ばけばけ』は、小説家・小泉八雲夫妻をモデルとした作品だ。清水容疑者の出演は公式発表されていなかったものの、事件発覚後、NHKは複数のメディアに対し、出演予定であったが取りやめたことを認めた。また、現在放送中のTBS系ドラマ『19番目のカルテ』においても、9月7日放送の最終回で清水容疑者の出演シーンがカットされることが報じられている。この迅速な対応は、薬物事件に対する放送局の厳しい姿勢を示すものだ。
過去の出演作と芸能界への広範な影響
清水尋也容疑者は2012年に映画『震動』で俳優デビューして以来、『渇き。』、『ちはやふる』シリーズ、『東京リベンジャーズ』シリーズといった話題作に多数出演し、その演技力が高く評価されてきた。NHK朝ドラ『おかえりモネ』(2021年後期)やTBS日曜劇場『海に眠るダイヤモンド』(2024年10月期)など、テレビドラマでの活躍も目覚ましく、今後のさらなる飛躍が期待されていた矢先の逮捕であった。
芸能プロ関係者からは「出演者が薬物事件などの不祥事を起こした場合、その後の再放送やネットでの配信が取りやめになるケースも考えられる。清水容疑者は人気作・話題作への出演も多いので、作品の公開をどうするか、慌てて話し合っている関係者は多いだろう」との声が上がっており、彼の出演作品に与える影響は計り知れない。制作側は、作品の品質保持と社会的な責任の間で難しい判断を迫られることになる。
NHKの薬物対策と誓約書提出の経緯
NHKは2020年4月から、番組のレギュラー出演者に対し、違法薬物の使用や反社会的勢力とのつながりがないことを確認する誓約書の提出を求めている。この背景には、過去に大河ドラマの主要キャストが薬物事件で逮捕された経緯がある。2019年3月には『いだてん〜東京オリムピック噺〜』に出演していたピエール瀧さんがコカイン使用で逮捕され降板。同年11月には、2020年放送予定の『麒麟がくる』に出演予定だった沢尻エリカさんがMDMA所持で逮捕され、やはり降板に至った。
これらの相次ぐ薬物事件を受け、NHKは「薬物とは無関係か」を確認する誓約書を求めるようになった。今回の清水容疑者も、同様の誓約書を提出していた可能性が高いとみられる。
違約金・損害賠償の可能性について
しかし、この誓約書には違約金支払条項などの罰則が含まれていないと言われている。そのため、清水容疑者が朝ドラ降板に対する損害賠償を行うかどうかは現時点では不透明だ。制作側としては、予期せぬトラブルによる損害をどのように補填するかが課題となる。
今回の清水尋也容疑者の逮捕は、個人の問題に留まらず、多くの関係者や作品に大きな影響を及ぼしている。放送局や制作会社は、出演者管理におけるリスクヘッジの重要性を改めて認識するとともに、再発防止に向けた一層の対策が求められるだろう。
参考文献
- 清水尋也、朝ドラ『ばけばけ』降板へ。薬物逮捕でTBSドラマも出演シーンカット – Yahoo!ニュース / ピンズバNEWS (2025年9月6日)