政治団体「再生の道」代表の石丸伸二氏(43)が、YouTubeチャンネル「ReHacQ(リハック)」にゲスト出演し、「2ちゃんねる」開設者で元管理人の「ひろゆき」こと西村博之氏と参院選の選挙戦術について激しい議論を交わしました。今回の対談は、日本の政治における新しい動きと、その戦略のあり方を深く掘り下げるものとして注目されています。
ひろゆき氏、石丸伸二氏との対談に臨む姿勢
「ReHacQ」での本音トーク:落選後の検証
この対談は、参院選から2日後の7月22日に収録され、石丸氏が石川県へ向かう途中に実現しました。県内の温泉旅館で、ひろゆき氏、元日本経済新聞記者で経済ジャーナリストの後藤達也氏、そして「ReHacQ」の主宰者である元テレビ東京の高橋弘樹氏の4人がアルコールを交えながら、選挙後の本音トークを展開しました。特に、今回の参院選で「再生の道」から立候補した全10人が落選したという結果を受け、その選挙戦略に対する検証が主要なテーマとなりました。
「リソース集中」か「平等な挑戦」か:戦略の相違
議論の焦点は、議席獲得のための戦略に集中しました。ひろゆき氏が「しなかった故に失敗したんですよ」と指摘したのに対し、石丸氏は「僕は全部のリソースを自分に集中させて終わりだったんですよ。でもそれをしなかった」と説明。自身のやり方で「これ以上のパフォーマンスを発揮できる人はいないと思いますよ」と反論しました。
石丸氏は、参院選で議席を獲得するためには、候補者を利用して自分自身が出馬すべきだという「選挙の常道」を理解しつつも、あえてそれをしなかったと強調。「当選させようとしていなかったのが前提にあるんですよ。受かってほしいけど、全員当選するのは不可能なので。誰か特定の人を当選させようとする作戦を取らなかったんですよ」と、自身の独自の哲学を述べました。
石丸伸二氏の街頭演説会場に現れたひろゆき氏の様子
「平等」の理念と選挙の常道
ひろゆき氏が石丸氏の「平等」に対する考え方を問うと、石丸氏は「うーん、ケースバイケースですけど…」と回答。ひろゆき氏は、一般的な組織論として「組織とは自分のためである、自分のためも含めて結果として組織のためであればよい」とし、例えば「チームみらい」が安野貴博氏以外の候補者を「比例の積み上げとして犠牲になればいいよね」と考えていた可能性を指摘しました。その上で「石丸さんはその辺の感覚が薄いのかな」と再度疑問を投げかけました。
これに対し、石丸氏は「だって僕、真逆ですもん。僕のために何かをやってほしくない」と強く主張。ひろゆき氏は「石丸さんが受かるためにみんなを犠牲にするのではなく、公正にみんなが自分の能力を最大限発揮して、うまくいったらいいよねっていう」と石丸氏の真意を読み解きました。石丸氏もこれに応じ、「うまくいけばいいですけど、広く政治参加を促すのが出発点であって、僕がいなくてもやってほしいんですよ」と述べ、自身の活動の根底にある「政治参加」の促進という理念を明確にしました。
代表退任と今後の「再生の道」
石丸氏は先月27日の記者会見で、代表を退任し、9月に代表選を実施すると発表しています。「当初の予定に沿った」と説明し、6月の都議選で42人、7月の参院選で10人の計52人の立候補者が落選したことについて「選挙の責任を取る、取らないの話じゃないです。残念ながら」と、今回の退任が引責辞任ではないことを強調しました。1日には新たに5人の立候補者を公表。今後の日程としては、14日に代表選考会(ライブ配信)、15日に投票、16日に新代表の発表記者会見を予定しており、「再生の道」の新たな局面が注目されます。
今回の石丸氏とひろゆき氏の議論は、選挙の「常道」と、石丸氏が掲げる「広く政治参加を促す」という理想との間で、いかに現実的な政治戦略を構築していくかという、日本の政治が直面する課題を浮き彫りにしました。「再生の道」が今後どのような進化を遂げるのか、その動向に引き続き注目が集まります。
参考文献:
- Yahoo!ニュース (日刊スポーツ掲載記事)
- YouTubeチャンネル「ReHacQ」