中居正広、芸能界引退から9ヶ月：性加害認定と復帰への複雑な道のり

国民的アイドルグループSMAPの元メンバーである中居正広氏（53）がテレビの表舞台から姿を消して、およそ9ヶ月が経過しました。発端は昨年12月、『女性セブン』と『週刊文春』によって報じられた女性トラブルであり、このスキャンダル報道が彼の芸能生活に大きな波紋を広げました。現在、中居氏の周囲では、その去就を巡る様々な憶測が飛び交っています。

スキャンダル報道後、メディアから姿を消した元SMAP中居正広氏

国民的アイドルの失墜：性加害報道とその波紋

このスキャンダル報道は瞬く間に広がり、年末から年始にかけて、中居氏が出演していた番組は次々と放送中止となりました。最終的には、レギュラー番組6本が終了するか、中居氏が降板する事態に発展しました。そして今年1月23日、中居氏は自身のファンクラブ向け有料サイトと公式サイトを通じて、芸能界を引退することを表明し、多くのファンに衝撃を与えました。

フジテレビ第三者委員会の「性暴力」認定と中居氏の反論

騒動はその後も収まる気配を見せませんでした。3月末には、フジテレビが設置した第三者委員会が調査報告書を公表し、元フジテレビの女性アナウンサーに対する中居氏の「性暴力」を認定しました。この報告書では、トラブルに至るまでの経緯やその後の詳細が明らかにされ、特に女性を誘い出す際の中居氏の手口に批判が集中しました。

“性暴力”認定がされたその頃、中居氏は地元の湘南と都内の自宅を往復する生活を送っていました。彼は信頼できる知人のみを厳選して呼び出し、数回にわたり少人数での飲み会を居酒屋などの“外食”で開いていたといいます。人目を気にする様子も見られたものの、自宅で飲むことはなかったようです。この飲み会に参加した知人は、中居氏が「本気なのかどうかはわかりませんが、“もう芸能界に戻る気はない”と呟いていましたね」と証言しています。しかし、すでに引退を宣言している立場からすれば、これは逆に芸能界への未練を示しているようにも受け取れたといいます。

知人証言から窺える、性加害認定後にやつれた様子の元タレント中居正広氏

芸能界への未練と水面下の動き

中居氏がこのように語っていたのは5月前後とされていますが、時を同じくして、彼はある行動を起こしました。5月12日、中居氏は代理人弁護士を通じて、第三者委員会の「性暴力」認定に反論しました。自身が6時間にわたって応じたヒアリング内容が十分に反映されていないことを指摘し、調査報告書の根拠となる証拠やヒアリング記録の開示を要求しました。しかし、第三者委員会は「事実認定は適切だった」とし、守秘義務や独立性の観点から証拠の開示を拒否。中居氏は再び抗議したものの、同委員会は被害者に二次被害を与える危険性があるとして、これ以上のやり取りを拒否しました。

芸能界への未練が、第三者委員会への反論という行動につながったのでしょうか。さらに7月18日、『女性セブンプラス』は、地元の後輩であるリップスライムのSUさんが、外出もままならない中居氏を献身的にサポートしていると報じました。その後、『東スポWEB』は、SUさんが中居氏と社会貢献活動への参加について話し合うこともあると報道。これは中居氏が名誉回復に躍起になっているとも考えられます。

ファンからの支持とYouTube復帰の可能性

本誌は8月20日配信の記事で、中居氏がYouTubeなどを通じた動画配信で復帰する構想があることを報じています。X（旧Twitter）では「#中居くんを守りたい」「#中居くんを返して」といったハッシュタグが数多く投稿されるほど、熱狂的なファンは今でも中居氏を強く支持しています。中居氏自身も、こうしたファンに対し、自分の言葉で感謝や近況を伝えたいと願っているとされています。名誉を回復し、ファンのために芸能界復帰を果たす――中居氏のこうした“目論見”が透けて見える一連の報道が続いています。

被害者感情と50億円訴訟の影

一連の報道に対し、芸能記者は次のように指摘します。「被害者である元フジテレビの女性アナウンサーは今、中居氏に対してどのような思いを抱いているのでしょうか。1月に芸能界引退を宣言したにもかかわらず、裏では復帰を考えていると思われるような行動を起こしているという記事が数多く報道されているわけで……。彼女が“反省していないのでは？”と捉えても、仕方がない状況かもしれませんね」。

さらに、“どん底のシナリオ”も考えられるといいます。8月28日、フジテレビは元社長・港浩一氏と、元専務で関西テレビの元社長・大多亮氏に対して50億円の損害賠償を連帯して支払うよう求める訴訟を起こしたことを発表しています。いっぽう、フジテレビは中居氏への訴訟に関しても、可能性を否定していません。「彼女（被害女性）がフジテレビに協力的であれば、訴訟のハードルはかなり下がります。つまり、中居氏が莫大な損害賠償を求められる可能性が高まるということです……」。