米アップルが近日開催する新製品発表イベントは、再び市場に大きなインパクトを与える展開となるかもしれません。特に注目されるのは、噂されている薄型スマートフォン「iPhone 17 Air」の登場です。この新モデルは、停滞気味のスマートフォン市場に新たな風を吹き込み、大規模な顧客層の機種更新を促す可能性があります。
イベントでは、アップルがiPhone 17 Airにバッテリーやカメラをどのように内蔵し、その薄型化を実現したか具体的に説明すると予想されています。また、価格設定も重要な焦点であり、新型iPhoneの基本機種「17」と高価格機種「17 Pro」の中間に位置づけることで、より幅広いユーザー層の獲得を目指すとみられています。
「iPhone 17 Air」の登場と市場への影響
フォレスターのバイスプレジデント兼首席アナリスト、ディバンジャン・チャタジー氏は、より薄型のiPhoneの登場が機種更新の動きを加速させるだろうと予測しています。「Airの新機軸は、iPhone 14や15、さらには16のユーザーに乗り換えを促す公算が大きい」と述べ、市場の活性化への期待を示しました。薄型化は、単なるデザインの進化だけでなく、新しい体験価値を提供し、既存ユーザーの買い替え意欲を刺激する重要な要素となるでしょう。
中国市場におけるAppleの存在感とiPhoneへの関心
折りたたみ型iPhoneへの布石か?
iPhone 17 Airの薄型化は、将来的な折りたたみ型iPhoneの実現に向けた重要な一歩となる可能性も指摘されています。既にライバルのサムスン電子は第7世代、グーグルも第3世代の折りたたみ型スマートフォンを市場に投入していますが、チャタジー氏によると、これら折りたたみ型スマホは全スマホ販売台数の2%弱に留まっており、近い将来5%を超えることはないと見られています。
しかし、アップルにとって折りたたみ型デバイスは、特に中国市場の顧客にアピールする上で極めて重要な意味を持ちます。中国の消費者は折りたたみ型を好む傾向が強く、アップルは同国市場でのシェア縮小に直面しているため、新たなフォームファクターの導入は競争力維持の鍵となるでしょう。
Appleの価格戦略と利益率の追求
ディープウォーター・アセット・マネジメントのマネジングパートナー、ジーン・ムンスター氏は、歴史的にアップルがiPhoneの中間価格帯で全売上高の約4分の1を占めてきたと指摘しています。アップルは今後、トランプ大統領の関税に直接言及することなく、ストレージ容量の増加などを理由に価格引き上げの方法を探っていくと予想されます。
ムンスター氏は「アップルは米政府とうまくやっていくすべを学んでいる」とし、「あからさまな値上げは印象が悪くなるだろうが、コストは増大し、利益率の拡大を目指す方針は一貫している以上、値上げに向けた何らかの手段を見つけ出さなければならない」と語り、巧みな価格戦略で収益性を確保する姿勢を示唆しました。
まとめ
アップルの新製品発表イベントで期待される「iPhone 17 Air」は、その薄型化と戦略的な価格設定により、市場に新たな活気をもたらす可能性を秘めています。この新モデルは、既存ユーザーの機種更新を促すだけでなく、将来の折りたたみ型iPhoneへの布石となり、特に中国市場でのアップルの競争力強化に貢献すると見られています。アップルがどのようにコスト増に対応し、巧みな価格戦略で利益率を追求していくのか、今後の動向が注目されます。
参考文献:
- Stephen Nellis. (2025年). 米アップルが9日に開催する新製品発表イベントは、再びインパクトに乏しい展開に終わるかもしれないが、今回披露されるとうわさになっている薄型スマートフォン「iPhone17Air」が反響を巻き起こす可能性がある。ロイター通信.