木村文乃とSnow Manラウール共演ドラマ『愛の、がっこう。』(フジテレビ系、2025年)の主題歌「Spiral feat.Yura」は、八分の六拍子が心地よく、楽曲全体が俳優たちの演技にコミットしていた。
それは単にドラマ音楽の役割の一つというより、主題歌自体もまた演じているかのようだった。Yuraとともにこの主題歌を担当したレイニの歌声が助演していたといってもいい。
2025年にメジャーデビューしたばかりのレイニは、話題のNetflixドラマ『グラスハート』(2025年)にアーティスト役で出演した。父は歌手の徳永英明。音楽的な素養を受け継ぎつつも、不思議な存在感を醸している。
男性俳優の演技を独自視点で分析するイケメン研究家のコラムニスト・加賀谷健が、アーティストであり、俳優でもあるレイニの演技力を解説する。
歌と演技を両立する領域区分
あくまで音楽活動をメインとするアーティストが、俳優活動までこなすためにはそれなりの戦略が必要である。その意味で、2025年にメジャーデビューしたばかりのレイニは、歌と演技を両立する領域区分がきちんとしている。
初インタビュー記事(2025年1月25日リアルサウンド掲載)で彼は演じることについてこう言っている。
「歌う時は自分の気持ちをさらけ出すことができるけど、演技の世界では演じる役のキャラクターやバックグラウンドが自分とはまったく違ったりすると、そこで自分をどこまで出していいのか、そのさじ加減が本当に難しい」
なるほど、同じ表現活動だとしてもその違いをはっきり認識している。「自分をどこまで出していいのか」という率直な疑問は、演技という表現性の本質にまで迫っている。
佐藤健が企画・共同エグゼクティブプロデュース・主演で話題のNetflixドラマ『グラスハート』でレイニが演じるアーティスト役は、まさに「さじ加減」が絶妙な当たり役だったのではないかと思う。






