都立高校教諭が詐欺容疑で逮捕:”パパ活”と「可愛くなりたい」TikTok投稿の二面性

都立高校に勤務する教諭、大平なる美容疑者(30歳)が、偽造有印公文書行使と詐欺の疑いで逮捕され、世間に衝撃を与えています。本人はかつて自身のSNSで「可愛くなるには、垢抜けるには何をしたら良いのだろう」と語る動画を投稿しており、その裏には、教師としての顔とは全く異なる「いただき女子」としての側面や、TikTokでの「垢抜け」を目指す配信者としての顔がありました。

偽造公文書行使と700万円詐取の経緯

大平容疑者は今年2月から3月にかけ、偽の和解調書を作成し、「仕事のトラブルで裁判になった」と50代男性を欺き、現金700万円を詐取した疑いが持たれています。全国紙記者の情報によると、容疑者は被害男性以外にも「パパ活」のような行為で金銭を受け取ることがあり、他の金銭トラブルで民事裁判となり、返金命令が下されていたといいます。このまとまった現金が必要となったことが、今回の犯行に及んだ動機の一つとみられています。逮捕時、容疑者は都立高校の教員でしたが、過去に勤務していた小学校の児童やその保護者からは「優しい先生というイメージ」「黒髪メガネで地味な印象」といった声が聞かれていました。しかし、その裏ではマッチングアプリなどを利用し、不特定多数の男性から金銭を無心する「いただき女子」としての顔も持ち合わせていました。

「地味な先生」から「配信者」へ変貌

学校では真面目で控えめな印象だった大平容疑者。しかし、彼女のもう一つの顔は、TikTokで積極的に活動する「配信者」でした。運用していたTikTokアカウントのフォロワーは約1万人。「あることがきっかけで可愛くなりたいと思った」と語るAIボイスに合わせて、自身のすっぴんパジャマ姿を公開した動画が初投稿とみられています。約2年間で25点の画像や動画を投稿し、そのほとんどがメイクやダイエットの経過報告で占められていました。投稿には「#可愛くなりたい」「#垢抜け」といったハッシュタグが添えられ、ユーザーネーム「H子(仮称)」の後には【変身】という文字が付されていました。

大平なる美容疑者、TikTok投稿で「可愛くなりたい」と語る姿。詐欺と偽造公文書行使の容疑で逮捕された都立高校教諭のもう一面。大平なる美容疑者、TikTok投稿で「可愛くなりたい」と語る姿。詐欺と偽造公文書行使の容疑で逮捕された都立高校教諭のもう一面。

昨年10月には「プレゼントもらうなら何が嬉しい?」という質問とともに画像を投稿。フォロワーに意見を求めつつ、「39歳男性」「独身」「お金持ち」「おしゃれ」「美容に詳しい」といったプレゼント相手の条件を説明していました。これが件の”パパ活”相手だったかは定かではありませんが、この頃から特定の男性との関係があった可能性も指摘されています。投稿は今年2月28日を最後に途絶えており、最後の内容は「50kg→44kg」「1か月で-6kg」といったダイエット記録でした。

生徒・保護者の驚きと東京都知事の苦言

顔出しで堂々と「垢抜け女子TikTok」をしていたこともあり、大平容疑者のSNS活動を認知していた児童も少なくありませんでした。容疑者が以前勤務していた学区内に住む小学5年生の男児の保護者は、「大平先生は手芸クラブで裁縫などを教えていました。手先が器用で、何でもパパッと作れたそうです」と語る一方で、「TikTokの動画はうちの子も見たそうですが、学校での大平先生とイメージがかなり違ったみたいで驚いていました。普段は目立たなくて真面目な感じだったそうですから。『僕らには見せない一面があったんだね』と話しています。逮捕されたことについては、今も学校で話題になっています」と、そのギャップに困惑する様子を明かしました。

この事件を受け、8月29日には小池百合子東京都知事も記者会見で「あってはならないこと。加えて教育者であるということは誠に遺憾」と厳しい言葉を述べました。近年、教員の逮捕事案が頻発しており、今回の事件もまた、教育現場への信頼を大きく揺るがすものとなっています。

まとめ

都立高校教諭の大平なる美容疑者の逮捕は、教師という社会的な立場にありながら、裏で詐欺や「パパ活」に関与し、さらには「可愛くなりたい」という願望をTikTokで公にしていたという、その複雑な二面性を浮き彫りにしました。この事件は、教育者の品位と信頼性について改めて社会に問いかけるものであり、失われた信頼を取り戻すことの重さを痛感させられます。