10月末に焼失した那覇市の首里城を管理・運営する「沖縄美(ちゅ)ら島財団」は17日の記者会見で、火災発生直後、警備員1人が火元とみられる正殿の様子を確認している間、残りの警備員と監視員の2人が仮眠を取ったままだったと明らかにした。この結果、モニターを監視する人員がいない時間帯が生じたという。
首里城正殿内の人感センサーが火災を感知したのは、10月31日午前2時34分。正殿近くの奉神門には警備員と監視員の計3人が当直勤務しており、起きていた1人が正殿を確認したところ煙を発見した。財団の古堅(ふるげん)孝常務理事は「本来なら仮眠している警備員を起こしてモニター監視に当たらせるのが適当だったが、起こさずに消火活動に行ってしまった」と語った。
財団はまた、火災前の消防訓練では職員が少ない夜間に火災が発生することを想定した訓練を行っていなかったと説明した。正殿の分電盤にはコンセントが後付けで設置されていたが、今年1月まで中心施設の管理者だった国の沖縄記念公園事務所の鈴木武彦所長はコンセントの設置時期について「電気設備工事が多岐にわたっており、調査を行っているが、まだ把握できていない」と説明した。
一方、財団は11月3日から今月15日までの期間で、来場者は18万1409人だったと発表した。前年比約47%減。修学旅行やクルーズ船客がいずれも同約30%落ち込んだ。見学できる区画を拡大した今月12日以降は前年比65・5%減にまで回復している。財団関係者によると、外国人の観光客は減少しているものの、沖縄県民の見学者が増えているという。
◇
首里城の修復・再建に役立ててもらうため、産経新聞社とフジサンケイビジネスアイ、産経デジタルは支援金を受け付けています。≫ 産経新聞社が運営するクラウドファンディングサイト「WhiteCanvas」