菅義偉(すが・よしひで)官房長官は17日の記者会見で、イランのロウハニ大統領が20、21両日に来日すると発表した。安倍晋三首相は20日にロウハニ師と会談し、中東地域の緊張緩和と安定化に向けて協議する。首相は、23日の閣議決定を目指す海上自衛隊の中東派遣について直接説明し、理解を得たい考えだ。
菅氏は会見で「わが国は情勢の安定化に向けて米国やイランを含む関係国と連携し、粘り強く外交努力を継続している。今回のロウハニ師の来日に際しても幅広く意見交換を行う」と述べた。
イラン大統領の来日は平成12年10月のハタミ大統領以来、19年ぶりで2回目。今回のロウハニ師の来日はイラン政府が日本政府に打診していた。
イランとしては、核問題などで米欧との緊張が続く中、日本との伝統的な友好関係をアピールし、国際的な孤立を回避する狙いがあるとみられる。
首相は今年6月、現職首相として41年ぶりにイランを訪れ、最高指導者のハメネイ師、ロウハニ師と会談した。イラン側は、トランプ米大統領と強固な信頼関係を結ぶ首相に、米側との「橋渡し」の役割を期待しているとみられる。