会員制交流サイト(SNS)上で援助交際を募る書き込みなどを通報し、児童が犯罪に巻き込まれるのを未然に防止する活動を行う「サイバー防犯ボランティア」の取り組みをたたえる感謝状贈呈式が17日、宮城県警で行われた。県警によると、SNS上で援助交際を募る書き込みの通報件数は過去最多。児童がSNSをきっかけに犯罪の被害に遭うケースは全国でも相次いでおり、県警は警鐘を鳴らしている。
平成28年に創設されたサイバー防犯ボランティアは県内の大学生などで構成。児童が夏休みに入り、犯罪被害件数が増加する7月から9月までを活動期間としている。ツイッターなどのSNS上で援助交際を募るなどの不適切な書き込みを発見した場合、運営側に通報して削除させている。
県警によると、ボランティアによる今年の通報件数は1078件で、削除件数は824件。それぞれ昨年と比べて194件、68件の増加で過去最多だった。援助交際を募る書き込みが大半を占めており、県内でSNSをきっかけにして児童が被害にあった事件は今年に入り4件発生している。県警の佐々木幸志サイバーセキュリティー統括官は「SNSの種類も増加しており、今後も脅威が複雑化していくことも予想される」と懸念する。
この日感謝状を贈られた東北工業大学4年の千葉翔也さん(22)は「援助交際を誘引する書き込みも多様化している」と指摘。千葉さんによると、家出をする児童側から宿泊先を募る内容の書き込みをするケースもあったといい、「SNSの向こう側にいる人は素性が知れないという怖さがある。SNSによる出会いを避けるなどリスクを排除すべきだ」としている。