放送倫理・番組向上機構(BPO)放送人権委員会は18日までに、札幌テレビ放送(STV)の「どさんこワイド179」を審理すると決めた。旧優生保護法に基づく不妊手術を強制されたとして札幌地裁に国家賠償請求訴訟を起こした札幌市の小島喜久夫さんが、STV記者から意思に反して救済法に基づく一時金を申請させられ、報道されたと申し立てていた。
STVは「取材、報道は正確で公正なもの」と反論している。
審理対象は4月26日放送の同番組。申立書などによると、STVの女性記者から同日、一時金の申請書への記入を求められ、撮影されるなどした。小島さんは、不本意な申請で、法律家の援助を受ける機会を得られなかったとしている。小島さんは5月20日付で一時金申請を取り下げた。
STVは「(小島さんは)取材に『一時金はもらって、裁判は裁判としてやっていきたい』と発言している。自らの意思で申請したのは明らか」としている。