日本で初めての女性首相として誕生した高市早苗氏と、東京都知事の小池百合子氏の間で、政界に微妙な緊張が走っています。特に、両者の初めての面会時の態度を巡っては、オンライン上で小池氏への批判が噴出し、「嫉妬心」の表れではないかとの憶測が飛び交いました。この背景には、女性初の首相の座を狙っていたとされる小池氏の複雑な心境と、今後の高市政権に対する戦略的な動きが隠されているようです。
ネットで「失礼すぎる」と炎上した面会態度
昨年11月19日、高市早苗首相が就任して初めて、永田町の首相官邸で小池百合子都知事との面会が実現しました。この時の様子を捉えたニュース映像がSNSで拡散されると、小池都知事の態度に対し、辛辣な批判が相次ぎました。首相が深々と頭を下げて挨拶したのに対し、小池都知事の会釈は比較的軽く見えたため、「失礼すぎる」「嫉妬とねたみの表れ」といった声がネット上で炎上したのです。政府広報オンラインの記録では、都知事も着席時には頭を下げていましたが、その程度が首相とは異なると指摘されました。都庁幹部によれば、「憲政史上初の女性首相の座を目指していた小池氏にとって、高市氏に先を越されたことは決して面白いはずがない」と語り、形式的な礼は尽くしたものの、その心情が態度に表れた可能性を示唆しています。
東京都知事の小池百合子氏と高市早苗首相の会談風景
小池都知事の「ピリピリムード」と政権批判の狙い
小池都知事に近い関係者は、高市首相の就任以来、都知事の周囲には常に「ピリピリムード」が漂っており、「怖くて話しかけられない」とまで漏らしています。都庁担当記者の解説によると、小池氏は今後、高市政権への批判を強める構えを見せているとのことです。彼女はこれまでも、政府と対立する構図を築くことで自身の存在感をアピールする手法を得意としてきました。しかし、高市政権の支持率が7割前後という高水準を維持している現状では、拙速な批判は「小池都知事が高市首相に難癖をつけている」とネガティブに受け止められ、世間からの反感を買うリスクもはらんでいます。
批判の焦点:「副首都構想」と東京の税収減
小池都知事が高市政権への批判材料として注目しているのは、自民党が連立を組む日本維新の会が掲げる「副首都構想」です。維新の会は「悲願」である大阪都構想の実現を見据え、来年の通常国会での関連法案成立を目指しています。この構想では、副首都に指定された都市は税制面で優遇されるなど多大な恩恵を受けるため、多くの企業が東京都から流出する可能性が指摘されています。都知事は、年間6兆円を超える巨額の税収が影響力の源泉である東京都の法人住民税や法人事業税などの地方税の減収を強く憂慮しているとされます。関係者は、「『東京一極集中』の解消を名目に税収が減る事態を、小池都知事が受け入れるはずがない」と述べ、この問題が今後の政治的対立の核心となることを示唆しています。
結論
高市早苗首相の誕生は、小池百合子都知事の政治戦略に新たな局面をもたらしました。面会時の態度を巡るSNS炎上は、両者の間に横たわる複雑な感情を浮き彫りにしています。小池都知事は、自身の存在感を再確立するため、高市政権が推進する「副首都構想」を主な批判のターゲットに据え、東京の税収減少という具体的な懸念を通じて対決姿勢を強める方針です。高支持率を誇る高市政権に対し、小池都知事がどのような批判を展開し、それが都政ひいては国政にどのような影響を与えるのか、今後の動向が注目されます。





