元TOKIOのメンバーである国分太一氏(51)を巡るコンプライアンス違反騒動が新たな局面を迎えています。この度、元同僚の松岡昌宏氏(48)が週刊文春と週刊新潮のインタビューに応じ、日本テレビの対応に対する不満を公にしたことで、事態は一層複雑化しています。この騒動は、単なる芸能界のニュースに留まらず、メディアにおけるコンプライアンスと人権保護のあり方について、社会的な議論を巻き起こしています。
「ザ!鉄腕!DASH!!」降板の経緯と沈黙の4ヶ月
騒動の発端は、今年6月に日本テレビの福田博之社長が緊急記者会見を開き、国分氏がレギュラー出演していた人気番組「ザ!鉄腕!DASH!!」における重大なコンプライアンス違反を理由に、国分氏の番組降板を発表したことです。この会見では、被害者のプライバシー保護を理由に、違反内容については一切明かされませんでした。福田社長は終始「理由は言えない」と繰り返すに留まり、具体的な説明を避ける姿勢が目立ちました。
この日テレの判断を受け、他局も次々と国分氏を起用する番組からの降板を決定。さらに、国分氏本人が無期限の活動休止に追い込まれただけでなく、長年活動を共にしてきたTOKIOも解散という異例の事態に至りました。日テレも国分氏も詳細を語ることなく、約4ヶ月間沈黙が続いたことで、憶測が飛び交う状況が続いていました。
国分氏による人権救済申し立てと日テレへの反論
事態がようやく動き出したのは10月に入ってからです。国分氏側は、日本テレビが番組降板に至るまでの対応に瑕疵(かし)があったとして、日本弁護士連合会(日弁連)に人権救済を申し立てました。そして11月26日、国分氏本人が代理人弁護士である菰田優氏とともに東京・霞が関の司法記者クラブで記者会見を実施し、自身の見解を明らかにしました。
会見で国分氏は、日テレが別の理由で自身を呼び出し、突然弁護士同席のもとでコンプライアンス違反に関する聞き取りを行ったという、強引な調査手法であったと主張しました。また、自身の身を守るためにスマートフォンで録音を試みたものの、弁護士に見つかり削除を要請されたことも明らかにしています。国分氏は、自身が起こした問題行為について日テレ側と「答え合わせができていない」と繰り返し訴え、調査過程の透明性に疑問を呈しました。これに対し日テレは、国分氏の会見後、「二次加害の観点から答え合わせは難しい」との回答を示し、詳細な説明を拒否する姿勢を維持しています。
国分太一と松岡昌宏、コンプライアンス違反騒動の渦中
松岡昌宏氏の「日テレへの不満」発言が波紋
このような状況下で、元TOKIOメンバーの松岡昌宏氏が“元同僚”として初めて口を開いたことが大きな波紋を呼んでいます。松岡氏は日テレへの感謝を述べつつも、国分氏の指摘する聞き取り調査の方法が事実であれば、日テレ側にもコンプライアンス違反に該当する可能性は十分にあるのではないかと訴えました。この松岡氏の“加勢”は、国分氏側に予期せぬ援護射撃となり、日テレへの圧力を強める形となっています。
テレビ局関係者は、松岡氏の指摘が日テレにとって「思わぬ反撃」であると見ています。関係者によると、「日テレはあまりにも結論を急ぎ過ぎた感が否めない。おそらくは中居正広氏を巡る問題で後手に回ったフジテレビの二の舞を踏みたくなかったのだろうが、それが結果的に杜撰な対応となってしまった」と分析しています。現在、日テレは広告代理店を通じてスポンサーへのケアに躍起になっていると伝えられています。
テレビ局関係者が語る日テレの「焦り」と今後の展開
日テレが急いで対応した背景には、過去の芸能人に関する問題処理の経験が影響している可能性が指摘されています。しかし、その「焦り」が今回の杜撰な調査対応に繋がり、結果として新たなコンプライアンス問題を引き起こす可能性が出てきています。松岡氏の加勢により、日テレは被害者への配慮を第一としつつも、国分氏の主張する「答え合わせ」に応じざるを得ない状況に追い込まれるかもしれません。
騒動から既に半年が経過し、依然として解決の糸口は見えていません。この複雑な問題は、年を越えて長期化する可能性が高いと見られており、今後の展開が注目されます。メディアと人権、そして公正な手続きのあり方が問われるこの問題は、引き続き社会の関心を集めることでしょう。



