学校法人「大乗淑徳学園」(東京都板橋区)が運営する淑徳高校(同)の男性教諭(32)が9月に自殺していたことが19日、分かった。遺族側は部活動の顧問業務などに伴う長時間労働や過重労働が原因の過労死だったとして、年明けにも労災申請する方針。
男性は昨年4月から1年契約の特任教諭として、同校に勤務。物理の担当のほか、吹奏楽部の顧問を務めていた。今年6月から頭痛などの体調不良を訴え始め、9月18日に自殺を図り、22日に亡くなった。
自宅のパソコンに4月以降、日々の始業・終業時間が記録され、6月は260時間、7月は241時間に及んでいた。副校長に顧問業務の負担軽減を訴えていたものの変わらず、9月14日には文化祭をめぐるトラブルがあり、翌日から有給休暇を取っていた。
同学園と教員の間には、時間外労働(残業)や休日労働に関する労使協定(三六協定)が締結されておらず、男性の遺族や同僚教諭数人は19日、池袋労働基準監督署に協定未締結や残業代の未払いを申告した。
同学園は「教員が亡くなったことは非常に残念。それ以上のコメントは差し控える」としている。