【モスクワ=力武崇樹】ロシアを訪問中の茂木敏充外相は19日(日本時間同午後)、モスクワでラブロフ露外相と会談し、北方領土問題を含む平和条約締結に向け議論した。秋に北方四島で初めて試行した共同経済活動の観光ツアーについて来年の本格事業化に向け、協議を継続する方針を確認し、局長級の作業部会を来年1月に開催することを確認した。
茂木氏は、北海道根室市の漁協に所属する漁船5隻がロシア国境警備局によって国後島の古釜布(ロシア名ユジノクリーリスク)に連行されたことについて早期の帰港を申し入れた。ラブロフ氏は、漁業者に日露間の協定を順守させるよう要請した。
茂木氏は会談後の共同記者発表で、平和条約締結交渉について「議論の進め方についてやりとりができた。解決策を見いだすべく協議項目を整理し、進展につなげていきたい」と述べた。一方、ラブロフ氏は領土問題の解決について「決して簡単なものではない」と強調した。
ラブロフ氏は、両国が12月末にソマリア沖アデン湾で海賊対策の合同演習を行うとも明らかにした。