年末年始の帰省シーズン、多くの人が利用する新幹線は混雑の極みに達します。自由席にようやく座れたものの、通路には人が溢れ、隣には「座りたい!」と半泣きで訴える子どもとその母親。健康な自分としてはまだ我慢できるものの、この先も長い道のりを考えると、席を譲るべきか、それとも知らん顔をすべきか――大人の日々は、こうした難しい「選択」の連続です。このジレンマに直面したとき、あなたはどちらの道を選び、どのように心の平穏を保つことができるでしょうか。
難しい選択のポイント:正解はない
新幹線での座席譲渡問題は、極めて難しい状況であり、席を譲るか譲らないか、どちらが「正しい」と一概に言えるものではありません。この状況設定を読んだだけで、何の迷いもなく「譲る必要はない」と感じる人もいれば、胸がギュッと締め付けられるような苦しさを感じる人もいるでしょう。社会的な期待や他者の視線が絡み合う中で、個人の価値観や感情が大きく影響するからです。
自分の気持ちを大切にする選択
もしあなたが「譲るわけにはいかない」「譲る意味がわからない」と感じるタイプであれば、ご自身の信念を貫くことが大切です。無理に譲ってしまうと、心の中に怒りや被害者意識が膨らみ、移動中ずっと不快な思いをすることになるでしょう。子どもの半泣きの声という“雑音”に耳を塞ぎ、快適に座り続けることで、自分自身の精神的なエネルギーを消耗せずに済みます。
一方で、「このまま座っていていいのだろうか」と思い悩んでしまう、胸が苦しくなるタイプの人は、状況が異なります。母親が味わっているであろう居たたまれなさや焦りがひしひしと伝わってきて、自身のエネルギーがどんどん消耗されてしまうでしょう。親子を無視して座り続けること自体が「苦行」になってしまうのであれば、覚悟を決めるしかありません。その際には、「どちらまでですか?」と優しく声をかけてみることをおすすめします。もし親子が自分より先に降りるのであればその駅まで席を譲り、自分が先に降りるのであれば「もしよかったら」と言って、席を立つ選択肢もあります。
混雑した新幹線の通路と座席のイメージ
大切なのは「心の指示に従うこと」
結局のところ、この手のジレンマにおいて最も重要なのは、「自分の気持ちが楽になる選択肢」を選ぶことです。外部からの「それは冷たすぎる」とか「それはお人よしすぎる」といった無責任な幻聴に惑わされることなく、自分自身の心の指示に従うことこそが、あなたにとっての「正解」です。安易に「権利が」とか「法的には」などと主張する人もいますが、それは決して賢そうには見えないため、口にしないほうが賢明でしょう。
新幹線利用の事前リサーチの重要性
ちなみに、JR東海やJR西日本では、年末年始などの繁忙期に「のぞみ」の全列車を全席指定席として運行するなどの対応を取っています。近年、鉄道会社の運行体制も変化してきているため、新幹線に乗車する機会がある方は、事前に最新のリサーチを行うことを強くお勧めします。こうした情報が、あなたの旅をより快適なものにする一助となるでしょう。
著者: 石原壮一郎





