【記者ノート】祖父から受け継ぐ政治家DNA 栃木・那須塩原市長 

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那須塩原市長選で初当選し、万歳する渡辺美知太郎氏

那須塩原市長選で初当選し、万歳する渡辺美知太郎氏

 「じいちゃんには世話になった。孫もまちの発展にがんばってくれっぺ」。今春の統一地方選で注目された栃木県那須塩原市長選。渡辺美知太郎氏が参院議員を辞職して立候補する中、祖父の渡辺美智雄元副総理兼外相の話をよく耳にした。渡辺氏の街頭演説には美智雄氏時代からの古参支持者も顔をみせ、一時は「総理に最も近い政治家」といわれた祖父から受け継ぐDNAに期待が集まった。

 現職市長の死去に伴う市長選は、自民党支部の一本化が難航。当初、市議で一本化を図るとみられたが、渡辺氏が出馬に踏み切ったことで急転。元参院議員と元市議が一騎打ちする保守分裂選挙となった。

 渡辺氏は夏の参院選で比例代表候補として自民党公認に内定していたが、複数の市民グループの要請を受け、「ここで出なければ自分のルーツを捨てたも同然だ」と立候補を決意。正式表明は告示のわずか6日前だった。

 市を二分する激戦となったが、国会議員で培った人脈や若さをアピールした渡辺氏が勝利し、初当選を飾った。統一地方選後半戦で当選した全国の市長の中で最年少。現職国会議員から市長への転身は県内としては異例だった。また祖父と選挙で戦ってきた蓮実進元衆院議員が渡辺氏支持に回るなど、政治の構図にも変化がみられた。

 美智雄氏の支持者によると、選挙中の渡辺氏の演説からは、祖父を感じることが多かったという。「容姿は全く違うし、演説も栃木弁丸出しのミッチー節ではないが、聴衆を引きつけて飽きさせない話術のうまさはじいちゃん譲りだ」。

 確かに、美智雄氏、参院議員で伯父の喜美氏と2代続けて取材してきた中で、渡辺氏の話術にふと祖父が頭をよぎることがある。

 今夏の参院選の応援演説では、突然、坂本九の「上を向いて歩こう」を歌い出して驚かされた。「政治は上を向いて未来を描くようなビジョンをもっている候補者に託してほしい」という意図だったらしいが、歌で始まる演説を聞いたのは記者人生の中で初めて。「確かに聴衆をひきつける。これもDNAなのか?」と知人の言葉が思い出された。

 市長就任から8カ月。この間、JR那須塩原駅周辺の「まちづくりビジョン」策定など全22項目の政策マニフェストを発表した。今月には県内の自治体で初めて二酸化炭素(CO2)の排出量実質ゼロ宣言を打ち出した。

 令和に掲げるまちづくりのテーマは「わくわくどきどき」、そして「サステナブル(持続可能)」。人を引き付ける話術にたけた祖父から受け継いだDNAをどのように進化させるのか。注目したい。(伊沢利幸、写真も)

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