英国王室のウィリアム皇太子(43)が、Apple TV+の番組『旅嫌いユージン・レビィのトラベルガイド』の「イギリスで王族として暮らす」に出演し、これまであまり明かされることのなかった自身の心境を語りました。チャールズ国王(76)と故ダイアナ元妃(享年36)の長男であり、現在の王位継承順位第1位である皇太子が、家族関係、次期国王としての役割、そして両親の離婚といった多岐にわたるテーマについて赤裸々に語った内容は、国内外の注目を集めています。王室関係者も「ウィリアム皇太子がここまで心境を明かすのは珍しい」と述べており、その言葉の重みがうかがえます。
祖父母エリザベス女王との関係性:形式から温かさへ
番組でインタビュアーを務める俳優のユージン・レヴィ(78)の元に、ウィンザー城内の広大な敷地を電動スクーターで移動して現れたウィリアム皇太子。彼はユージンに対し、自身の出演作『アメリカン・パイ』シリーズの大ファンであることを伝えたといいます。インタビューの中で、ウィリアム皇太子は長らく語られてこなかった祖父母、故エリザベス女王(享年96)と故フィリップ殿下(享年99)との関係性について言及。「祖父母とは何十年も親しい間柄ではなかった。とても形式的で、親密な関係を維持するのは難しかったと思う」と率直に明かしました。しかし、皇太子自身の環境が変化するにつれて、その関係性も改善されていったと振り返ります。「子どもたちが生まれ成長し、私も成長するにつれて、どんどん温かくなっていったんだ」と語り、二人の絆が最も深まったのは「祖父母が80代の頃だった」と打ち明けました。
幼いウィリアム皇太子とエリザベス女王陛下:変化した家族関係の象徴
「王位に就きたい」未来の国王としての決意と変化
いつか自らが「王位に就きたい」と語ったウィリアム皇太子は、若い頃にはその未来に疑問を抱いていたこともあったといいます。「若い頃は『私たちは本当にこれをやっているの? こんなことが起こっているの?』と疑問に思ったこともあった」と過去を振り返りました。しかし今では、いつか君主になることに圧倒されることは少なくなったと述べ、「歳を重ねるにつれて、そういう面で少し落ち着いてくると思う。『実は、私にもできるんだ』って思えるんです。変化球がいくつか飛んできても、必ずしも圧倒されるわけではない」と語りました。また、国王としての役割について質問されると、「変化は私の課題だと言っても過言ではないでしょう」とし、「国王になったら君主制に変化をもたらしたい」と、未来を見据えた抱負を主張しました。
家族の健康問題とメディアへの懸念
インタビューでは、現在がん治療を続けるチャールズ国王と妻キャサリン皇太子妃(43)の話題にも触れ、「家族に関する心配やストレスは本当に大きい」と胸中を吐露しました。子どもたちが母親の病気とどう向き合ったかについては、「家族で悩みを共有することも大切だが、その影響も考えながら支え合うことが重要だ」と語り、メディアのあり方についても言及。「私とハリー(ヘンリー王子の愛称)が経験してきたような王室報道のあり方は望まない」と、弟ヘンリー王子(41)との共通の経験にも触れました。チャールズ国王は2024年2月にがんの診断を公表、キャサリン皇太子妃もその翌月にがんの治療中であることを明かし、約半年後に化学療法を終えたことを公表しています。
結婚生活と子育て:両親の過ちを繰り返さないために
自身の結婚生活について語る中で、ウィリアム皇太子はキャサリン皇太子妃との関係において「両親と同じ過ちをしないように努力している」と発言しました。チャールズ国王と故ダイアナ元妃が離婚したのは1996年、当時ウィリアム皇太子は8歳でした。その経験を踏まえながら、「家庭には温かさ、安全、安心、そして愛情を感じさせる雰囲気が必要なんです」と、家族が築き上げるべき環境の重要性を強調。また、毎晩子どもたち(長男ジョージ王子(12)、長女シャーロット王女(10)、次男ルイ王子(7))と夕食をともにしていることも明かしました。
今回のインタビューは、ウィリアム皇太子の幼い頃から現在に至るまでの、多岐にわたる話題に関する胸の内を深く知る上で、非常に貴重な機会となりました。これまであまり語られることのなかった彼の言葉は、未来の英国王としての重責、そして一人の人間としての家族への深い愛情と配慮を鮮明に描き出しています。





