NHKは24日、テレビ番組を放送と同時にインターネットで配信する「常時同時配信」実施に向け、ネット業務の概要をまとめた実施基準の修正案を公表した。同日に経営委員会の議決を受け、総務相に認可申請中の案の修正手続きを行った。肥大化の恐れがあるとして、総務省が見直しを要請した従来案から費用を圧縮。1日24時間としていた常時同時配信の提供時間について当面、短縮する内容となった。
総務省は23日に公表した見解で、大筋で妥当とする判断を示しており、1月中旬までに認可する見通し。
10月に認可申請した案では、常時同時配信を含む基本的業務費用を、「民業圧迫」の懸念に配慮してNHK自らが設けた「受信料収入の2・5%」内に設定。一方で、公益性が高いとする東京五輪・パラリンピックのネット配信(20億円以内)など4業務(計90億円以内)を別に管理するとし、4業務を加えた費用は受信料収入の約3・8%相当になるとの指摘を総務省から受けていた。
総務省は11月、業務の肥大化につながる懸念があるとして、再検討を要請。合わせて業務、受信料、ガバナンス(組織統治)のあり方を見直す「三位一体改革」の実行を求めた。
新たな案では、別枠とする業務は五輪に限定。常時同時配信の提供時間は当分の間、配信時間を限定する。サービス開始時期については、今年度内に1日17時間程度の試験的配信を始めたいとしている。