米配車大手ウーバー・テクノロジーズは24日、創業者のトラビス・カラニック取締役が今月末に退任すると発表した。同社の経営から完全に退く。保有株を売却して巨額の資金を手にしており、今後は「シェアキッチン」と呼ばれる新たな分野のビジネスに挑む。
カラニック氏は2009年にウーバーを共同創業。配車サービスで運輸業界に革新をもたらし急成長した。しかしセクハラなど不祥事が相次いだ責任を問われ、17年に最高経営責任者(CEO)を辞任。取締役に残ったものの経営への関与が薄れていた。声明で「現在のビジネスに集中する時が来た」と述べた。
シェアキッチンは共用の調理場を貸し出すビジネスだ。レストランの出店には家賃も含め元手がかなり必要だが、これを活用すれば、いわば包丁1本で始められるため注目を集めている。
ウーバーは今年5月に上場。カラニック氏は株売却の制限が解除された11月以降に段階的に株を手放した。27億ドル(約2950億円)以上を確保したとされる。(共同)