カジノを含む統合型リゾート施設(IR)をめぐる汚職事件で、贈賄容疑で逮捕された中国企業「500ドットコム」元顧問、紺野昌彦容疑者(48)が、海外から無届けで現金二百数十万円を持ち込んだ外為法違反容疑で東京地検特捜部の捜査を受けた際、周囲に「自分のお金を持ってきた」と話していたことが26日、関係者への取材で分かった。
現金の授受が、東京都千代田区の衆院議員会館にある秋元司容疑者(48)=収賄容疑で逮捕=の事務所で行われた疑いがあることも判明。特捜部は持ち込まれた現金が、賄賂として秋元氏に渡った疑いがあるとみて全容解明を進める。
特捜部は今月7日以降、無届けで国内へ現金二百数十万円を持ち込んだとされる外為法違反事件の関係先を捜査。紺野容疑者からも任意で事情を聴いていた。
関係者によると、紺野容疑者は任意聴取を受けた際、複数の知人に「問題があるのだろうか」「法に触れることはしていない」と話したという。
特捜部は25日、収賄容疑で秋元容疑者を逮捕。IR担当の内閣府副大臣だった平成29年9月下旬、同社のIR事業で便宜を受けたいとの趣旨だと知りながら、東京都内で現金300万円を受領したなどとされる。
また、贈賄容疑で紺野容疑者のほか、500社日本法人元役員、鄭希容疑者(37)、同社元顧問、仲里勝憲(47)を逮捕。関係者によると、一部容疑者は調べに対し、利益供与を認めている。