韓国前法相の逮捕状請求を棄却 ソウル東部地裁





27日、逮捕状請求の棄却を受け、ソウル東部拘置所を出る韓国のチョ・グク前法相(聯合=共同)

 【ソウル=名村隆寛】韓国のチョ・グク前法相が大統領府の民情首席秘書官だった2017年、柳在洙(ユ・ジェス)前釜山副市長の汚職について監察を打ち切り、不正にもみ消したとする疑惑をめぐり、ソウル東部地裁は27日、検察による職権乱用容疑でのチョ氏の逮捕状請求を棄却した。地裁はチョ氏の容疑については認めているが、「逃亡や証拠隠滅の恐れがない」と説明した。

 一方、韓国の聯合ニュースは同日、検察が補充捜査後にチョ氏への令状を再請求するか、在宅のまま起訴するもようだと報じた。

 地裁は26日、逮捕状発布を審査し、チョ氏から約4時間20分、事情を聴いた。検察の事情聴取に対し、チョ氏は監察打ち切りを認めつつも「把握できた不正は軽微なもので正常な手続きに従った」と法的責任を認めなかった。メディアの質問にも、検察の令状請求内容には「同意できない」と述べ容疑を否認していた。

 検察側はチョ氏が重大な不正を確認しつつも、捜査依頼などの措置を取らず監察を打ち切ったのは違法行為に該当すると判断した。

 柳前副市長はかつて盧武鉉(ノ・ムヒョン)元大統領の随行秘書などを務めたほか、盧政権で大統領府民情首席秘書官だった文在寅大統領の部下だった人物。監査打ち切りの「下命疑惑」の当時、金融委員会の幹部だった。15~16年に業者から金品を受け取り、便宜を図った収賄罪などで先月、逮捕され、今月13日に起訴された。

 検察は今月中旬、2回にわたってチョ氏から事情聴取しており、23日に逮捕状を請求した。チョ氏は妻ら親族の不正疑惑が浮上していた9月、文大統領により法相に任命されたが、10月に法相を辞任した。チョ氏をめぐっては、昨年6月の南東部・蔚山(ウルサン)市長選への介入疑惑も出ており、検察は捜査を進めている。



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