【阪神大震災25年】震災後の採用職員、神戸市が初の6割超へ

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神戸市役所=神戸市(村本聡撮影)
神戸市役所=神戸市(村本聡撮影)

 平成7年に発生した阪神大震災で甚大な被害を受けた神戸市で、震災後に採用された職員が来年度、6割を超える見通しであることが29日、市への取材で分かった。31年4月時点で、被災した兵庫県内13市(震災後合併の淡路市を含む)のうち、神戸市以外の12市はすでに震災未経験職員が6割を超えている。来年1月で震災から25年となるのを前に、災害対応や教訓の継承が課題となっている。

 震災当時、神戸市には職員約2万人が在籍し、大半が災害対応に当たっていたが、その後の財政難に伴う行財政改革などで職員削減を加速。28年4月時点で市職員が1万4352人となり、未経験職員が52%(7451人)と初めて5割を上回っていた。

 31年4月時点の市職員は1万3800人で、未経験職員は59%(8137人)にまで増加。すでに来春、大卒や高卒など約300人の新規採用が決まっており、来年4月時点で未経験職員が6割を超えることが確実となった。また、西宮や伊丹、宝塚など阪神間の5市では、31年4月時点で未経験職員が全体の7割を超え、芦屋市では8割以上となっている。

■教訓継承「語り継ぎ」から「実践型」に

 阪神大震災の被災各市では、震災を経験していない新人職員らを対象に、当時の経験や教訓を語り継ぐ研修などを続けている。ただ、元号が平成から令和となり、震災発生から間もなく四半世紀となる中、次の巨大災害に備える「実践型」の研修にシフトしている。

 震災犠牲者6434人の約7割が集中した神戸市では、震災翌年から新人研修などで震災経験者が体験談を語ってきた。近年は水害や台風など災害が多様化しており、瞬時に対応できるようなプログラムにも力を入れる。

 震災直後に災害対策本部を指揮した元職員らが考案したプログラムを基に、平成15年度の新人研修から、避難所運営などを疑似体験する「震災ロールプレイ研修」を導入。管理職にも25年度から同様の研修を取り入れた。さらに、カードゲーム式の防災教材「クロスロード」を23年度から採用。災害時に起こりうる状況から、二者択一の設問を出し、判断力などを磨いている。

 震災25年となる来年1月17日には、入庁1~3年目の職員約600人が、市民とともに無料通信アプリ「LINE(ライン)」を使い、災害時の被害状況を収集する実証実験を初めて行う。震災時の画像などをスマートフォンで発信、被害状況を地図に集約する試みを通じて防災を考える。

 また、震災未経験の職員が8割を超えている芦屋市では、採用10年前後の職員を対象に、地域防災の中心的役割を担う「防災士」の養成講座を定期的に実施。今秋には24人が取得するなど、今後の災害現場で役立つ人材を育てる。

 神戸市危機管理室の末若雅之課長は「震災当時の記憶を伝えるだけでなく、今後の災害にいかに対応するか、実践力や判断力を身につけることが大切だ」と話している。(木下未希)

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