【モスクワ=小野田雄一】ロシア大統領府は30日、プーチン大統領から各国首脳に向けた新年の祝辞を公式サイトに掲載した。プーチン氏は安倍晋三首相に対し、日露関係は発展に向けた条件が形成されつつあるとの認識を示した。また、来年5月にロシアが予定する第二次世界大戦の対ドイツ戦勝75周年を記念する式典への安倍首相の出席を期待した。
メッセージでプーチン氏は、今年行われた複数回の日露首脳会談で「相互理解が形成された」と指摘。両国の一連の合意は、政治・経済・人道面での両国関係を発展させているとした。また「対独戦勝75周年記念式典でお会いできればうれしい」と述べた。
プーチン氏はトランプ米大統領に対して「露米関係の正常化を望む」と表明。中国の習近平国家主席に対しては「露中の戦略的協調関係は強化され、新たな地平を開いている」とした。
プーチン氏の祝辞はこのほか、ドイツやベラルーシ、トルコ、インド、韓国など41カ国の首脳について言及。安倍首相への祝辞は41番目だった。北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長やウクライナのゼレンスキー大統領への言及はなかった。