ゴーン被告の制限住居を家宅捜索　東京地検、警視庁と合同

　会社法違反（特別背任）などの罪で起訴後、保釈中にレバノンに逃亡した日産自動車前会長、カルロス・ゴーン被告（６５）について、不正に出国した疑いが強まったとして、東京地検特捜部と警視庁捜査１課は２日、入管法違反の容疑でゴーン被告が滞在していた東京都港区の住宅を合同で家宅捜索した。特捜部と１課は制限住居に残された防犯カメラなどを押収し、ゴーン被告が出国した経緯を調べる。

　ゴーン被告は日本時間昨年１２月３１日、米国の代理人を通じて「今、レバノンにいる」などとする声明を出し、出国していたことが判明した。

　海外メディアの報道などによると、ゴーン被告は１２月２９日、保釈条件で指定された東京都港区の制限住居を出て、関西国際空港からプライベートジェットで渡航。イスタンブール経由でレバノンの首都ベイルートへ入ったとみられる。

　ゴーン被告は保釈条件で海外渡航が禁止されていた。弁護団の弘中惇一郎弁護士によると、国籍を持つレバノン、フランス、ブラジルの３冊の旅券は弁護団が預かっており、出国後も弁護団が預かったままという。

　出入国在留管理庁のデータベースには出国記録がなく、特捜部と１課は、正規の旅券を使わない方法でゴーン被告が出国した疑いがあるとみて、詳しい出国の経緯を調べる。

　ゴーン被告の出国が判明した１２月３１日、東京地検は保釈取り消しを請求し、地裁は同日認める決定をした。保証金計１５億円は没取される。