NECの生体認証技術、歩きなら虹彩でも本人確認





歩きながら目の虹彩で本人確認ができるNECの生体認証システム(同社提供)
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 2020年東京五輪・パラリンピックで、人工知能(AI)技術を使い、入場者の顔とIDカードに事前登録した顔写真を自動的に照合する顔認証システムを導入するNEC。選手や大会関係者約30万人が対象で、関係者の入場時間を大幅に短縮できる。同社は“顔パス”技術に加え、利用者が立ち止まらなくても目の虹彩により高精度の本人認証ができるシステムの開発にも取り組んでおり、五輪後の令和3年度までの実用化を目指している。

 目の虹彩は指紋以上に複雑なうえ生涯不変で、本人確認に適しているといわれているが、非常に小さいため、従来の虹彩で個人を特定するシステムではカメラの正面で利用者が静止して撮影する必要があった。新システムは、歩いている人の目の周辺部分だけを撮影し、大量の画像から認証に適した画像のみを高速で抽出し、立ち止まらなくても通過できるようにした。

 同社は電車の改札や空港のセキュリティーゲートなど大勢の人が通る場所での利用を想定。「顔認証などと組み合わせると本人確認の精度がさらに高まる」としており、これらの生体認証技術を成長分野と位置付けて開発を強化している。



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