井上靖氏、69年にノーベル賞候補 初推薦 資料開示





井上靖氏

 1969年のノーベル文学賞選考で「天平の甍」「敦煌」などで知られる作家の故井上靖氏(07~91年)が候補者に推薦されていたことが分かった。選考主体のスウェーデン・アカデミーが共同通信の請求を受け、2日に資料を開示した。井上氏が同賞候補となっていたことが公式資料で判明するのは初めて。

 川端康成が受賞した68年の選考まで、候補に含まれていた作家の三島由紀夫と詩人の西脇順三郎は69年の選考では推薦されなかった。

 69年は井上氏を含め103の候補推薦があった。推薦した井上氏について、アカデミーは「まだ十分な調査がなされていないため、除外する」と指摘。井上氏はその先の選考から漏れた。 候補の中にはソ連時代の強制収容所の実情を告発し、70年に受賞したロシアの作家、故ソルジェニーツィン氏も初めて推薦されていた。(共同)



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