米軍、イラン精鋭部隊司令官を殺害 報復示唆、米国人に退避勧告

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イラン首都テヘランでイラン革命を記念するデモに参加したソレイマニ司令官=2016年2月11日(AP)

イラン首都テヘランでイラン革命を記念するデモに参加したソレイマニ司令官=2016年2月11日(AP)

 【ワシントン=黒瀬悦成、ベイルート=佐藤貴生】米国防総省は2日、イラン革命防衛隊の精鋭「コッズ部隊」のソレイマニ司令官を攻撃し殺害したと発表した。ロイター通信は、イラクのバグダッドの国際空港で3日未明、同氏らが乗った車列が米軍のヘリコプターに空爆され、同氏やイラクの民兵組織幹部らが死亡したとしている。

 国防総省は声明で、攻撃はトランプ大統領の命令で「外国の米要員を守るための果断かつ防衛的な措置」として実行されたとした。

 これを受け、ポンペオ米国務長官は中国の外交担当トップ、楊潔●(よう・けつち)共産党政治局員、英国のラーブ、ドイツのマース両外相と電話会談し、緊張を高める意図はないと伝えた。一方で国務省はイラク滞在の米国人に退避勧告を出した。

 ソレイマニ氏はイスラム教シーア派武装組織の支援などイランの対外工作を統括。同国の最高指導者ハメネイ師は「抵抗のジハード(聖戦)が2倍の意思で続く」と、報復を示唆。ソレイマニ氏の後任に同部隊のイスマイル・ガアニ副司令官を任命した。

 国防総省はソレイマニ氏とコッズ部隊が、米民間人1人が死亡した昨年12月27日のイラク北部の基地に対する攻撃を含め、過去数カ月間、イラク国内での多国籍軍の基地への攻撃を首謀したと非難。12月末のバグダッドの米大使館襲撃も同氏が命令したとしている。

 同省は空爆の狙いを「イランによるさらなる攻撃を抑止するため」とし、今後も「全ての必要な措置を講じていく」と強調。国務省はコッズ部隊を「外国テロ組織」に指定している。

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