【ベイルート=佐藤貴生】イラン革命防衛隊の精鋭「コッズ部隊」のソレイマニ司令官が米軍に殺害されたことを受け、中露両政府の外相が4日までにイランのザリフ外相と会談し、ともに米国を非難した。トランプ米政権がイランの報復に備えて中東への米軍部隊の増派を決めるなか、中露がイランを支持する意向を示した形で、3カ国は米国への対抗を基盤に今後も連携していくとみられる。
ロイター通信によると、ザリフ氏は3日にラブロフ露外相と電話で会談した。ラブロフ氏はソレイマニ氏の殺害に弔意を示し、両外相は「米国の行動は国際法に違反している」との見解で一致した。一方、ザリフ氏と4日に電話会談した中国の王毅外相は、米国は軍事力の乱用を停止して対話による解決を目指すべきだと述べた。
ソレイマニ氏の殺害を受け、イランは米国に報復すると警告している。その時期や手段は不明だが、イランとしては、どのような事態になっても中露を後ろ盾に米国に対抗していく狙いとみられる。
トランプ政権が中東での軍備増強に乗り出しイランとの軍事的な緊張が高まった昨春以降、中露はほぼ一貫してイランを支援。3カ国は先月末、オマーン湾などで初の合同軍事演習を行っている。