「ばたでん」の愛称で鉄道ファンらに人気の一畑(いちばた)電車(本社・島根県出雲市)が、初めて絵本を制作。幼い頃から電車に親しんでもらおうと松江、出雲市内の幼稚園や保育園などへ1部ずつ寄贈することを決め、両市に目録を渡した。
絵本の企画編集には同社スタッフが加わり、デザイン会社「あしたの為のDesign」が文と絵を担当した。タイトルは「ばたでん くねくねする」。
主人公のモデルは、映画にも登場するなど、同社の顔ともいえるオリジナル車両「デハニ50形」。昭和3年の北松江線開通などに備えて製造。お座敷電車、レトロ電車などとして活躍し、鉄道友の会の「エバーグリーン賞」も受賞したが、保安上の問題から平成21年に営業運転を終了した。現在は、2両が展示・体験運転用として、第2の人生を送っている。
オレンジ色の車体と頭の上に乗ったライトが特徴で、絵本では、「ばたでんくん」として登場。いつもまっすぐ走っているばたでんくんがアオムシと出会い、「ぼくも、くねくねしたい」と不思議な動きにあこがれるストーリー。
初版500部を作製し、半数近くを幼稚園などに寄贈することを決めた●(=くさかんむりに列)田満夫社長は「ファンを増やすには、子供の時から親しんでもらうことが大事と、絵本制作が決まった。『くねくね』や主人公のモデルは、会社のアイデア。毎年1冊は制作し、シリーズ化したい」と話している。1部1100円(税込み)で、松江しんじ湖温泉駅などで販売している。