【環球異見】トランプ大統領 弾劾訴追





米下院本会議でトランプ大統領の弾劾訴追への賛否を投じる下院議員ら =2019年12月18日 (AP)

 米上院でウクライナ疑惑をめぐるトランプ大統領の弾劾裁判が行われる。下院本会議は昨年12月18日に弾劾訴追の決議を可決。大統領の弾劾訴追は1998年の第42代クリントン大統領以来、3人目となった。米メディアは野党、民主党が主導してまとめた弾劾条項などに対して意見が分かれた。一方、ウクライナでは対露戦略の後ろ盾である米国が弾劾訴追を機に自国から離れていくことへの危機感を報じている。

 □米国 ウォールストリート・ジャーナル

 ■世論を反映、賛否両論

 米大統領として歴代3人目の「不名誉」となったトランプ大統領の弾劾訴追をめぐり、米国民の世論は割れている。メディアの主張も世論を反映する形で弾劾訴追に対する是非が分かれている。

 トランプ氏は、今年の大統領選を有利に進めるために対ウクライナ外交を利用したとする「権力乱用」と、下院委員会の調査への協力を拒否したとする「議会妨害」の2条項で弾劾訴追された。

 だが、弾劾訴追から一夜明けた昨年12月19日付の米紙ウォールストリート・ジャーナルは、「この弾劾訴追という愚行」と題する社説を掲載した。弾劾訴追の条項に「何ら具体的な違法行為の主張が含まれていない」として、根拠の脆弱(ぜいじゃく)性を指摘した。

 民主党が主導した下院委員会の疑惑調査では、トランプ氏の「直接的な指示」は明らかにならなかった。社説はそうした状況を踏まえ、権力乱用が「一般的すぎて何にでも当てはめられる」とし、議会からの要請に対する協力を拒んだ事例も過去の政権であったことを説明した。

 「下院民主党は大統領を弾劾する基準を引き下げた」とも批判している。

 一方、トランプ氏に批判的な米紙ワシントン・ポストは同日付の社説で、弾劾訴追は「必要かつ適切だ」とする論陣を張った。

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