4月3日に自身のYouTubeチャンネルで食道がんを公表し、後に咽頭がんも併発していたと報じられたとんねるずの石橋貴明氏(63)。所属事務所は回復に時間がかかる見込みと発表していたが、病状は順調に快方に向かっているという。石橋氏のラジオ番組で代打を務める五十嵐亮太氏も病状の回復を明かしており、「体調面だけ見れば復帰も近い」との見方も出ていた。しかし、ここにきて過去の“不祥事”が再燃し、復帰のタイミングに暗雲が立ち込めている。
フジテレビ社員B氏に下された処分詳細
フジテレビは6月5日、中居正広氏が元アナウンサー女性との間に起こしたトラブルに関与したとされる一部社員への処分を発表した。中でも注目されたのが、編成部長だったB氏だ。第三者委員会の報告書によれば、B氏は中居氏と被害女性を引き合わせ、トラブル発生後は中居氏と結託してメールを削除するなど証拠隠滅を図ったと指摘されており、その手口の悪質さが問題視された。今回、B氏に対しては4段階の降職と1カ月間の懲戒休職という処分が下された。中居氏のトラブルを巡り、被害女性の人権を軽視したB氏が処分を受けるのは当然の流れと言える。
中居正広氏と、同氏に関連するトラブルで処分者を出したフジテレビの社屋
石橋貴明氏関与のセクハラ事案も処分の理由に
じつは、今回のB氏への処分の原因となった事案の一つに、石橋氏も関係している。10年以上前、B氏は石橋氏との会食の際に女性社員を誘い出し、その女性社員がトイレに立った隙に他の参加者と共にその場を去った。これは石橋氏と女性を二人きりにさせるための行為だったという。その後、女性社員は石橋氏に誘われて別の店に行ったが、そこで石橋氏が突如下半身を露出したとされる。このセクハラ事案は第三者委員会の報告書にも記載されており、石橋氏は「同席された女性の方には、不快な思いをさせてしまったことを、大変申し訳なく思っております。かなうのであれば、快復後直接お会いして謝罪させていただきたく思います」とコメントを発表している。B氏が問われた4つの行為の責任のうち、まさにこの「露出セクハラ」事案が一つに含まれているのだ。第三者委員会が指摘したこの事案について、今回フジテレビが正式に問題として認め、B氏処分の理由としたわけである。
B氏・港前社長との深いつながりが復帰を阻む
B氏への処分を巡っては、「甘すぎる」との批判も続出している状況だ。当然、B氏の”お膳立て”でセクハラ行為におよんだ石橋氏も、この事案から責任を完全に逃れることは難しい。B氏はかつて『笑っていいとも!』のチーフプロデューサーを務め、とんねるずが不定期出演するようになったのもB氏の采配とされている。超大物コンビを番組に呼べるほどの関係性から、B氏と石橋氏が蜜月関係にあったのは間違いない。さらに、今回フジテレビは、善管注意義務違反などで港浩一前社長を提訴する予定だと発表している。港前社長といえば、石橋氏と二人三脚でフジテレビの黄金時代を築き上げた盟友とも言える存在だ。
石橋氏からすれば、今回深い繋がりのあるフジテレビの人間が処分を受け、さらに盟友である前社長が提訴されるという状況は、復帰のタイミングを失わせる出来事となっている。もし今のタイミングで復帰を強行すれば、「禊は済んでいない」と反発する声が出てくる可能性がある。特に、港前社長とフジテレビの間の裁判が続く限り、石橋氏の名前が表に出てくる機会も増えるだろう。世間がこれらの出来事を受け入れ、石橋氏のタレントイメージが回復するまでには、かなりの時間を要すると見られている。
まとめ
石橋貴明氏は体調が回復に向かっているにも関わらず、フジテレビの社員処分を巡る騒動が原因で復帰が困難な状況にある。特に、処分理由の一つに過去のセクハラ事案が再度取り上げられたこと、そして石橋氏が深い関係を持つB氏や港浩一前社長が今回の騒動の中心人物となっていることが、その大きな要因だ。体調面だけでなく、過去の清算とタレントイメージの回復、そして関連裁判の行方を見守る必要があり、世間が彼の復帰を受け入れるにはまだ相当な時間が必要となるだろう。